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再審の訴がその対象とした控訴審判決に対する不服理由を述べるにすぎず、再審却下の原判決に対する上告理由の主張がないため、上告棄却となつた事例。
判旨
再審却下の判決に対する上告において、再審の対象となった元の確定判決(控訴審判決)に対する不服を述べることは、上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
再審却下の判決に対する上告において、再審の対象とされた元の確定判決に対する不服を述べることは、適法な上告理由となるか。
規範
再審却下判決に対する上告においては、当該却下判決自体の憲法違反や違法性を争うべきであり、再審の訴えが対象としている元の確定判決(原判決)に対する不服を述べることは、適法な上告理由には当たらない。
重要事実
上告人は、控訴審判決に対して再審の訴えを提起したが、原審により再審の訴えが却下された。これに対し上告人は本件上告を提起したが、その上告理由の内容は、再審却下判決そのものの不当性ではなく、再審の対象とした元の控訴審判決に対する不服を述べるものであった。
あてはめ
上告人は、本件上告において再審却下の原判決に対する具体的な上告理由を主張していない。上告理由として述べられている内容は、すべて再審の対象となった元の控訴審判決に対する不服にすぎない。これは、再審却下判決を不服として争うべき上告の手続において、検討の対象外の事由を主張するものといえる。
結論
本件上告は棄却される。再審対象判決への不服は、再審却下判決に対する上告理由としては採用できない。
実務上の射程
再審手続と本案手続の区別を明確にする実務上の基本原則を示す。再審却下判決を争う際は、再審事由の存否(民訴法338条等)や訴訟要件の判断に関する違法を突く必要があり、元の判決の内容を再度争うことはできないという「上訴の対象」を特定する際の指針となる。
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