判旨
再審の訴えに対する上告において、再審の目的となった前審の確定判決における判断遺脱を主張することは、原判決自体の違法を主張するものとはいえず、不適法である。
問題の所在(論点)
再審の訴えを却下した原判決に対する上告において、再審の対象である前審確定判決の違法を理由とすることが認められるか。
規範
上告審において主張できる上告理由は、上告の対象となっている原判決自体の違法性に関するものに限られる。再審の訴えを不適法として却下した判決に対する上告において、再審の目的である「元の確定判決」の瑕疵を主張することは、原判決の違法事由には当たらない。
重要事実
上告人は、再審の訴えを提起したが、原審によって職権調査に基づき不適法として却下された。これに対し上告人は、再審の目的となった前審の確定判決に判断遺脱の違法があったことを理由として、上告を申し立てた。
あてはめ
上告人が主張する判断遺脱の違法は、あくまで本件再審の目的となった「前審の確定判決」に存するとされるものである。これに対し、本件で上告の対象となっているのは「再審の訴えを不適法として却下した原判決」である。したがって、上告人の主張は原判決そのものの違法を指摘するものではないと解される。
結論
上告人の主張は採用するに足りず、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
再審手続における不服申立ての対象を明確化する際、再審対象判決と再審開始・却下判決を峻別する論拠として機能する。民事訴訟法上の上告理由(判決に影響を及ぼすべき法令の違反等)が「当該原判決」に対して向けられているかを厳格に審査する実務運用を裏付けるものである。
事件番号: 昭和29(ヤ)9 / 裁判年月日: 昭和33年3月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】再審の訴えにおいて主張された判断遺脱の事由について、確定判決が必要な判断を行っている場合には再審事由に当たらない。また、その他の主張が法定の再審事由に該当しない場合には、再審の訴えは不適法として却下される。 第1 事案の概要:再審原告は、所論の各判決において判断遺脱があること、およびその他の事由を…
事件番号: 昭和27(テ)4 / 裁判年月日: 昭和29年4月8日 / 結論: 棄却
原上告判決の判断が、東京控訴院の判例に反し且つ憲法第七六条第三項に違反したものであるというだけで、原上告判決において法律等が憲法に適合するか否かについて為した判断の不当であることを理由とするものでないときは、再上告適法の理由とはならない。