高等裁判所が上告審としてなした判決に対する再審事件について、同裁判所が言い渡す判決は、上告審たる資格でなすものであり、右再審事件の終局判決に対する上訴としては、民訴第四〇九条ノ二第一項の特別上告のみが許される。
高等裁判所が上告審としてなした判決に対する再審と右再審事件の判決に対する上訴の許否
民訴法423條,民訴法409條ノ2第1項
判旨
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、憲法解釈の誤りその他憲法違反を理由とする場合に限り、最高裁判所に特別上告をすることができる。
問題の所在(論点)
高等裁判所が上告審として下した判決に対して、いかなる事由があれば最高裁判所への上告が適法となるか。
規範
高等裁判所が上告審の資格において下した終局判決に対する不服申立ては、旧民事訴訟法409条の2第1項(現行民事訴訟法327条1項参照)に基づき、憲法の解釈の誤りその他憲法の違反があることを理由とする場合にのみ、最高裁判所への特別上告が認められる。
重要事実
本件は、福岡高等裁判所が上告審として言い渡した上告判決に対する再審請求事件である。福岡高裁がこの再審請求を棄却する判決を言い渡したところ、上告人がさらに最高裁判所に対して上告を申し立てた。
あてはめ
本件における原判決は、福岡高等裁判所が上告審の立場で下した裁判である。このような裁判に対しては、憲法違反の主張が必要であるが、本件の上告理由は憲法違反等の事由に該当する事情が認められない。したがって、適法な上告理由を備えていないと評価される。
結論
本件上告は特別上告の理由に該当しないため、棄却される。
実務上の射程
上告審である高等裁判所の判決に対する不服申立ては、通常の第三審への上告とは異なり、憲法問題に限定されることを確認したものである。実務上、特別上告(憲法上告)の要件を厳格に解する根拠として機能する。
事件番号: 昭和32(オ)166 / 裁判年月日: 昭和33年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審の訴えに対する上告において、再審の目的となった前審の確定判決における判断遺脱を主張することは、原判決自体の違法を主張するものとはいえず、不適法である。 第1 事案の概要:上告人は、再審の訴えを提起したが、原審によって職権調査に基づき不適法として却下された。これに対し上告人は、再審の目的となった…
事件番号: 昭和29(テ)5 / 裁判年月日: 昭和30年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が上告審としてなした終局判決に対する特別上告は、憲法の解釈の誤りやその他の憲法違反がある場合に限り許容される。実質的に単なる法令違背を主張するものは、特別上告の適法な理由とは認められない。 第1 事案の概要:上告人は、高等裁判所が上告審として下した終局判決に対し、最高裁判所へ上告を申し立…
事件番号: 昭和32(ヤ)6 / 裁判年月日: 昭和32年6月7日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】高等裁判所の決定に対する不服申立ては、民事訴訟法上の再抗告ではなく特別抗告として扱われるべきであり、最高裁判所が当時の規定に基づき特別抗告として処理したことに違法はない。 第1 事案の概要:申立人は、東京高等裁判所が昭和27年3月22日に抗告裁判所として下した決定に対し、最高裁判所へ再抗告を申し立…