弁護士会の綱紀委員会がした懲戒に付するを相当とする旨の決議およびこれに基づいて弁護士会が同会の懲戒委員会に対してなした懲戒審査請求の無効確認の訴は不適当である。
弁護士会の懲戒決議等に対する無効確認の訴は適法か。
行政事件訴訟特例法1条,弁護士法56条,弁護士法58条
判旨
法律上の争訟に当たらない事項を対象とする訴えは、不適法として却下されるべきである。裁判所は、具体的な権利義務の存否に関する紛争ではない事項については、審判権を行使し得ない。
問題の所在(論点)
本件訴えが、裁判所法3条1項に定める「法律上の争訟」として、法律上訴訟の対象となり得るか、すなわち司法審査の対象となるか。また、対象とならない事項についての不服申立ての適法性。
規範
裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」とは、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、それが法律を適用することによって終局的に解決することができるものを指す。この要件を満たさない訴えは、訴訟の対象となし得ない事項として不適法となる。
重要事実
上告人は、原審において本訴請求を提起したが、原判決はその請求内容が法律上訴訟の対象となし得ない事項について不服を申し立てるものであると判断し、訴えを不適法とした。上告人は、独自の法律的見解に基づき、原審の判断には誤りがあるとして上告を申し立てた。判決文からは、具体的な紛争の背景や請求の詳細は不明である。
事件番号: 昭和29(オ)913 / 裁判年月日: 昭和31年9月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】市議会が行った決議の無効確認を求める訴えは、裁判所法3条にいう「法律上の争訟」に当たらず、訴訟要件を欠く不適法なものとして却下されるべきである。 第1 事案の概要:上告人は、B市議会がなした議決について、その無効確認を求めて出訴した。第一審裁判所は、当該請求が「法律上の争訟」に当たらないこと、およ…
あてはめ
上告人の本訴請求は、客観的に見て具体的な法律関係の存否を争うものではなく、法律上訴訟の対象となし得ない事項を内容とするものである。上告理由が独自の法律的見解に基づく批判に留まっており、司法審査の要件を満たす具体的な権利義務に関する紛争を提示しているとは認められないため、裁判所が判断を下すべき対象に当たらないと解される。
結論
本件訴えは、法律上訴訟の対象となし得ない事項についての不服申立てであり、不適法である。したがって、原審の判断は正当であり、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
裁判所法3条1項の「法律上の争訟」の定義を確認する文脈で、不適法却下の根拠として引用される。具体的権利義務の存否に還元できない抽象的な不服や、法律適用による解決に適さない事項が排除されるべきことを端的に示す事案として位置付けられる。
事件番号: 昭和26(オ)584 / 裁判年月日: 昭和29年2月11日 / 結論: 棄却
村議会の予算議決の無効確認を求める訴は不適法である。
事件番号: 昭和26(オ)290 / 裁判年月日: 昭和28年6月12日 / 結論: 棄却
一 市議会の議決の無効確認を求める訴は原則として不適法である。 二 市議会議員であるというだけでは、市長が建設大臣および知事に対してした建築許可、認可の申請および右申請に基く許可、認可について、無効確認を求める訴の利益を有しない。