判旨
裁判所による証拠の取捨判断および事実の認定は原則として原審の裁量に委ねられており、特段の事情がない限り、独自の解釈に基づく憲法違反や法令違反の主張は上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
事実審裁判所の証拠の取捨選択および事実認定の是非を、憲法違反または法令違反として上告理由に掲げることが認められるか。
規範
事実の認定およびその基礎となる証拠の取捨選択は、事実審裁判所の自由な心証に基づく合理的な裁量に委ねられる。したがって、適法になされた事実確定や証拠判断に対する非難は、それが著しく合理性を欠くなどの特段の事情がない限り、上告審において憲法違反や法令違反を構成するものではない。
重要事実
上告人は、原審が行った証拠の取捨判断や事実確定、ならびに判決書における住所・氏名の表示、判決言渡しの手続等について、憲法11条、12条、13条、14条、31条違反および法令違反を理由に上告を提起した。記録上、原判決は所定の日時に公開の法廷で言渡されていた。
あてはめ
上告人の主張は、憲法違反や法令違反を称しているものの、その実質は原審の裁量権の範囲内にある証拠判断や事実確定を独自の意見に基づき非難するものに過ぎない。また、判決言渡し等の手続面についても、記録上適法に行われたことが明らかであり、主張の前提を欠いている。これらは民事訴訟法上の適法な上告理由には該当しないと解される。
結論
本件上告は棄却される。原審の証拠取捨・事実認定に憲法違反や法令違反は認められない。
実務上の射程
事実認定に関する不服を憲法違反として構成する「実質的憲法違反」の主張が、単なる裁量権行使への不満にとどまる場合には採用されないことを確認するものである。答案上は、事実認定の違法を争う際の限界を示す裁判例として位置付けられる。
事件番号: 昭和39(オ)514 / 裁判年月日: 昭和40年2月23日 / 結論: 棄却
婚姻関係が破綻した場合においても、その破綻についてもつぱらまたは主として原因を与えた者は、みずから離婚の請求をすることはできない。