利息制限法は、金銭貸借の場合に限り適用すべきものであつて、再売買予約付の売買には適用がない。
利息制限法の適用がないとされた事例。
利息制限法1条1項
判旨
利息制限法は金銭貸借の場合に限り適用されるため、再売買予約付の売買契約には、利息制限法の適用はない。
問題の所在(論点)
利息制限法が、金銭貸借ではなく「再売買予約付の売買」として成立した契約に対しても適用されるか。
規範
利息制限法は、金銭の貸借(金銭消費貸借)を目的とする契約に限定して適用されるべきものである。したがって、形式のみならず実質的にも売買契約(再売買の予約を含む)と認められる場合には、同法の直接適用は否定される。
重要事実
上告人と被上告人は、山林の所有権移転につき契約を締結した。この契約は、将来の完結の意思表示に代金の提供を要する旨の特約がある「再売買予約付の売買」であった。上告人は、本件契約が譲渡担保や買戻特約付売買であること、または利息制限法の制限を超える高利の脱法行為であることを主張して争ったが、原審は事実認定により金銭貸借であることを否定した。
あてはめ
事件番号: 昭和26(オ)576 / 裁判年月日: 昭和32年9月5日 / 結論: 棄却
消費貸借上の貸主が、借主の窮迫、軽卒もしくは無経験を利用し、著しく過当な利益の獲得を目的としたことが認められない限り、利息が月一割と定められたという一事だけでは、この約定を公序良俗に反するものということはできない。
本件契約は、原審の適法な事実認定によれば、消費貸借に基づく譲渡担保や民法579条の買戻約款付売買ではなく、再売買予約付の売買である。利息制限法は金銭貸借の場合に限り適用されるものであるところ、本件は金銭貸借に該当しない。また、利息制限法を潜脱する目的でなされた脱法行為であるとの具体的証拠も示されていない。したがって、本件契約に同法を適用して制限超過部分を無効とすることはできない。
結論
本件再売買予約付の売買契約には利息制限法の適用はなく、同法違反を理由とする上告人の主張は認められない。
実務上の射程
契約の性質が実質的に金銭消費貸借(譲渡担保等)と認定されれば利息制限法が適用されうるが、認定上「売買」とされる場合には適用外となる。答案上は、まず契約の法的性質を確定させ、金銭貸借性を否定した上で、利息制限法の適用範囲を画する際に本判例の論理を用いる。ただし、現代の実務では公序良俗違反(民法90条)等の検討も併せて必要となる点に注意。
事件番号: 昭和34(オ)281 / 裁判年月日: 昭和35年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】利息制限法所定の制限を超える利息が任意に支払われた場合、その超過部分は債務者から取り戻すことができない。また、公序良俗違反による無効は、無思慮や窮状に乗じた不当な契約であるといった具体的な事情が認められない限り肯定されない。 第1 事案の概要:上告人(債務者)は、被上告人(債権者)から金員を借り受…
事件番号: 昭和35(オ)1179 / 裁判年月日: 昭和37年12月4日 / 結論: 棄却
利息制限法の制限をこえる利息を目的として準消費貸借をした場合、該契約は制限をこえる部分について無効である。
事件番号: 昭和26(オ)166 / 裁判年月日: 昭和34年7月9日 / 結論: 棄却
債務不存在確認請求訴訟において、原告主張の不存在事由が肯認できない以上、原告が右 事由の一として主張した履行不能による債務消滅に対する被告からの反対主張である履行 の事実が認められても、原告勝訴の判決をなすべきではない。
事件番号: 昭和26(オ)560 / 裁判年月日: 昭和28年11月12日 / 結論: 棄却
一 一抵当権設定契約とともになされた停止条件付代物弁済契約は、特段の事由のないかぎり、代物弁済の予約と解すべきものである。 二 右の場合において、抵当権を実行するか、代物弁済の予約を完結させるかは、債権者の選択に委される。