利息制限法の制限をこえる利息を目的として準消費貸借をした場合、該契約は制限をこえる部分について無効である。
利息制限法をこえる利息を目的とする準消費貸借契約の効力。
民法588条
判旨
利息制限法を超える利息を含んで準消費貸借契約が締結された場合、当該契約は制限内の元本および利息の範囲で有効に成立し、これを担保する譲渡担保契約もその限度で有効である。
問題の所在(論点)
制限超過利息を含む準消費貸借契約が締結された場合、その契約および付随する譲渡担保契約の効力はどうなるか。また、制限内の元利金の支払いを怠った場合に譲渡担保に基づく目的物の返還請求は認められるか。
規範
利息制限法の定める制限利息を超過する利息を目的として準消費貸借契約を締結した場合、超過部分については無効であるが、制限の範囲内においては有効に成立する。また、当該債務を担保するために締結された譲渡担保契約も、制限内の元金および利息の範囲で有効に存続する。
重要事実
上告人は、旧利息制限法の制限を超える利息を含んだ30万円を目的とする準消費貸借契約を締結し、その担保として不動産の譲渡担保契約を結んだ。しかし、上告人は約定期間内に30万円の支払いはもちろん、制限利息内の元利金の弁済も行わなかった。そのため、被上告人に対し不動産の返還を求めた事案である。
事件番号: 昭和34(オ)281 / 裁判年月日: 昭和35年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】利息制限法所定の制限を超える利息が任意に支払われた場合、その超過部分は債務者から取り戻すことができない。また、公序良俗違反による無効は、無思慮や窮状に乗じた不当な契約であるといった具体的な事情が認められない限り肯定されない。 第1 事案の概要:上告人(債務者)は、被上告人(債権者)から金員を借り受…
あてはめ
本件準消費貸借契約は、制限超過部分を除いた元金および制限内利息の範囲で有効である。これを担保する譲渡担保契約も、同様に有効な債務を担保するものとして有効といえる。本件では、上告人が有効な債務である元金および制限内利息の弁済すら約定期間内に行っていない以上、期間経過によって不動産の返還請求権を喪失したと判断される。
結論
本件準消費貸借契約および譲渡担保契約は制限内の範囲で有効であり、有効な債務の弁済がない以上、上告人の請求は認められず上告を棄却する。
実務上の射程
利息制限法違反の債務であっても、全部無効ではなく『一部無効(制限内有効)』の原則が譲渡担保の効力にも及ぶことを示した。答案上は、譲渡担保の被担保債権の範囲を確定させる際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和33(オ)714 / 裁判年月日: 昭和35年10月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】利息制限法を超える利息の天引がある場合、制限内の利息と現実交付額の合計額で消費貸借が成立する。また、暴利行為による公序良俗違反の判断では、代物弁済目的物の時価と債務額を対比し、借地上の建物については借地権の価格を適切に斟酌すべきである。 第1 事案の概要:債権者と債務者が、元金20万円、利息月5分…
事件番号: 昭和35(オ)535 / 裁判年月日: 昭和36年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】停止条件付代物弁済契約の基本となった債権の一部が利息制限法の超過利息に該当し無効であっても、有効な元本の範囲で契約を締結しなかったであろうと認められる特段の事情がない限り、当該契約は有効に存続する。 第1 事案の概要:債権者と債務者との間で、20万円の債権を基本とする不動産の停止条件付代物弁済契約…
事件番号: 昭和44(オ)269 / 裁判年月日: 昭和45年4月21日 / 結論: 棄却
年数回の利息の組入れを約する重利の予約は、毎期における組入れ利息とこれに対する利息との合算額が、本来の元本額に対する関係において、一年につき利息制限法所定の制限利率により計算した額をこえない限度においてのみ有効である。
事件番号: 昭和36(オ)1150 / 裁判年月日: 昭和39年10月16日 / 結論: 棄却
利息制限法は、金銭貸借の場合に限り適用すべきものであつて、再売買予約付の売買には適用がない。