判旨
選挙無効の訴えにおいて、選挙の自由公正が没却されたという事実は、全般的かつ組織的な選挙干渉や妨害の存在を証拠に基づき認定できる場合にのみ認められる。
問題の所在(論点)
選挙無効の原因となる「選挙の自由公正を没却する事実」の認定基準、及び裁判官の交代に伴う口頭弁論の更新(民訴法187条2項、現249条2項)の適法性。
規範
選挙の自由公正が没却されたことを理由とする選挙無効が認められるためには、証拠関係に照らし、当該選挙において全般的及び組織的な選挙干渉または妨害が行われたという客観的事実が認められることを要する。
重要事実
上告人(原告)は、本件選挙において選挙の自由公正を没却するような選挙干渉や妨害が存在したと主張して選挙無効の訴えを提起した。原審は、証拠を検討した結果、そのような全般的・組織的な干渉等の事実は認められないと判示した。これに対し、上告人は事実誤認や理由不備、憲法違反等を理由に上告した。
あてはめ
全般的かつ組織的な選挙干渉や妨害があったとする主張に対し、原告提出の全証拠を精査しても、そのような事実を認めることはできないと判断された。また、裁判手続面においても、判決に関与した裁判官の面前で従前の口頭弁論の結果が陳述されていることが記録上明白であり、更新手続に違法はない。各上告理由は、実質的に単なる訴訟法違反や事実誤認の主張に帰し、判決に影響を及ぼさない。
結論
本件選挙において全般的・組織的な選挙干渉等は認められず、選挙の自由公正が没却されたとはいえないため、上告を棄却する。
実務上の射程
公職選挙法上の選挙無効訴訟において、自由公正の原則に反する事由の立証の程度を示す。また、民事訴訟法における口頭弁論の更新手続(弁論の結果の陳述)が適正に行われれば、裁判官の交代があっても違法とならないことを確認する実務上の意義がある。
事件番号: 昭和37(オ)384 / 裁判年月日: 昭和37年8月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法上の有効投票の判定において、候補者の氏名の誤記や通称による記載があっても、候補者の同一性を認識できる場合は有効と認められる。また、他事記載に該当するか否かは、意識的に記載されたものであるかによって判断され、抹消された記載は無効事由にあたらない。 第1 事案の概要:村議会議員選挙において、…