宗教法人宗議会は、代表者の定めがあつても、民訴法第四六条により訴訟当事者能力があると解することはできない。
宗教法人宗議会の訴訟当事者能力。
民訴法46条
判旨
法人の内部組織(機関)にすぎない存在は、代表者の定めがあったとしても、民事訴訟法上の当事者能力(民訴法28条、29条)を認められない。
問題の所在(論点)
特定の法人の機関(内部組織)にすぎない存在について、代表者の定めがある場合に、民事訴訟法29条(または当時の民訴法46条)により独立した当事者能力が認められるか。
規範
民事訴訟における当事者能力は、原則として自然人または法人に認められる。法人格を有しない社団であっても、代表者の定めがあるなどの要件を満たせば例外的に当事者能力が認められるが(民訴法29条)、ある団体が独立した社会的存在としての実態を持たず、特定の法人の内部組織(機関)にすぎない場合には、たとえ代表者の定めがあったとしても、独立した当事者能力を認めることはできない。
重要事実
上告人は、宗教法人Dの機関である「B1」を相手方として訴えを提起した。また、被上告人である宗教法人「B2」についても、代表者の定めはあるものの、実態としては宗教法人Dの内部的な一部門(機関)にすぎないという関係にあった。原審は、これらの「B1」および「B2」について、独立した訴訟当事者としての能力を否定したため、上告人がこれを不服として上告した。
事件番号: 昭和28(オ)856 / 裁判年月日: 昭和29年2月26日 / 結論: 棄却
地方公共団体の議会の解散請求署名簿の署名の効力に関する訴訟において、議会は当事者能力を有しない。
あてはめ
本件において、被上告人宗教法人B2は、形式的には代表者の定めを有していた。しかし、その実態は宗教法人Dという一つの法人の機関にすぎないものであった。当事者能力は訴訟主体として独立して権利義務の帰属主体となり得る実態を前提とするものであるから、法人の一部門にすぎないものに独立した当事者能力を認める根拠はない。したがって、法人の機関にすぎないB1およびB2を相手方とする訴え、またはこれらを当事者とする判断には当事者能力の欠如という瑕疵があるといえる。
結論
被上告人らは宗教法人の機関にすぎないため、訴訟当事者となる能力(当事者能力)を有しない。
実務上の射程
法人の内部組織や支店、あるいは法人の一部門について、独立した法人格がなく、かつ単なる内部機関にとどまる場合には当事者能力が否定されることを示した。民訴法29条の「社団」に該当するか否かの判断において、親体たる法人からの独立性の有無が決定的な要素となる。
事件番号: 昭和34(オ)396 / 裁判年月日: 昭和35年7月21日 / 結論: 棄却
一 町村合併による新町の発足により旧町村の正式職員であつた者が新たに新町の職員として任命されたような場合には、条件附任用に関する地方公務員法第二二条の適用はない。 二 地方公務員法第二八条第一項第一号、第三号に該当するかどうかの判断は、任命権者の純然たる自由裁量に任された事項ではなく、同条の趣旨にそう一定の客観的標準に…
事件番号: 昭和32(オ)317 / 裁判年月日: 昭和36年7月18日 / 結論: 棄却
一 特別区の長の解職請求者署名簿における個々の署名の効力を争うには、署名簿の署名の効力に関する訴訟によらなければならない。 二 特別区の長の任期が満了したときは、解職請求者署名簿の署名の効力を争う訴の利益は、失われる。
事件番号: 昭和61(オ)531 / 裁判年月日: 平成5年9月7日 / 結論: 棄却
特定の者が宗教団体の宗教活動上の地位にあることに基づいて宗教法人である当該宗教団体の代表役員の地位にあることが争われている訴訟において、その者の宗教活動上の地位の存否を審理、判断するにつき、当該宗教団体の教義ないし信仰の内容に立ち入って審理、判断することが必要不可欠である場合には、右の者の代表役員の地位の存否の確認を求…