判決言渡の方式は民訴法第一四七条にいわゆる「口頭弁論の方式」に該当する。
判決言渡の方式を民訴法第一四七条にいう「口頭弁論の方式」
民訴法147条
判旨
判決の言渡しは口頭弁論の方式に該当し、その方式に関する規定の遵守は、口頭弁論調書の記載によってのみ証明することができる。
問題の所在(論点)
判決言渡しの方式が「口頭弁論の方式」に含まれるか。また、その方式の遵守の有無について、口頭弁論調書の記載に反する事実を主張・立証することが許されるか(調書の専証性の及ぶ範囲)。
規範
判決の言渡しは、民事訴訟法上の「口頭弁論の方式」に該当する。口頭弁論の方式に関する規定の遵守については、同法が定める調書の専証性(現行民事訴訟法160条2項参照)に基づき、調書の記載によってのみ証明することができる。
重要事実
第一審の口頭弁論調書には、判決言渡期日において「当事者双方不出頭、裁判官は判決原本に基き判決言渡」と明記されていた。これに対し上告人は、実際の判決言渡の方式に違法がある旨を主張し、憲法違反および法令違背を理由に上告を申し立てた。
あてはめ
本件において、第一審の口頭弁論調書には判決が原本に基づき適切に言い渡された旨が記録されている。判決言渡しは口頭弁論の方式そのものであり、法は口頭弁論の方式の遵守は調書によってのみ証明できると定めている。したがって、調書の記載に反する方式上の瑕疵を主張することは許されず、上告人の主張は前提を欠くものと解される。
結論
判決言渡しの方式に関する規定の遵守は、口頭弁論調書によってのみ証明される。そのため、調書に瑕疵のない旨の記載がある以上、これと異なる事実を主張して判決の違法をいうことはできない。
実務上の射程
手続的瑕疵を主張する際の立証制限(専証性)の射程を明確にした判例である。司法試験においては、判決言渡し等の訴訟手続に瑕疵があるとの主張に対し、民訴法160条2項を根拠に、調書の記載が絶対的な証明力を有することを指摘する場面で活用できる。
事件番号: 昭和25(オ)430 / 裁判年月日: 昭和27年6月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】小切手の遡及権保全要件である支払拒絶宣言(小切手法39条2号)は、小切手自体に記載されるべきであり、小切手に貼付された附箋になされたものは適法の形式を欠き無効である。 第1 事案の概要:上告人は、小切手の支払を求めたが拒絶されたとして、遡及権の行使を主張した。その際、遡及権保全の要件である支払拒絶…