判旨
判決は、判決原本に基づいて言い渡されるべきであり、口頭弁論調書によってその事実が確認できる場合には、言い渡し手続に違法はない。
問題の所在(論点)
判決の言い渡しが判決原本に基づいてなされたか否かという手続的適法性が、上告理由となるか。
規範
判決の言い渡しは、判決原本に基づいて行われなければならない(民事訴訟法252条参照)。この適法性の有無は、口頭弁論調書の記載等の客観的な記録に基づいて判断される。
重要事実
上告人は、原判決が判決原本に基づかずに言い渡された旨を主張して上告した。しかし、原審の口頭弁論調書には、判決原本に基づいて言い渡しがなされた旨の記録が存在していた。
あてはめ
本件において、原審の口頭弁論調書を確認すると、判決原本に基づいて言い渡しがなされたことが明らかである。したがって、上告人が主張する言い渡し手続の不備は認められず、手続は適法に完了していると評価できる。また、その余の主張は単なる事実誤認の主張にすぎず、適法な上告理由には当たらない。
結論
判決原本に基づいた言い渡しが確認できる以上、手続に違法はなく、本件上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法上の判決言い渡し手続(252条)の遵守を求める際の形式的な判断基準を示す。実務上、原本に基づかない言い渡しは無効事由となり得るが、調書に原本に基づいた旨の記載があれば、それを覆すには格別の証明が必要となる。
事件番号: 昭和32(オ)180 / 裁判年月日: 昭和33年7月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告の理由が原審の事実認定や証拠の取捨選択を非難するものにすぎない場合、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張するものとは認められない。 第1 事案の概要:上告人は、原審が行った証拠の取捨および事実の認定に不服があるとして上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):事実認定の不当を理…