判旨
手形所持人が正当な所持人であると認められる場合には、その権利行使を妨げる特段の事情がない限り、手形上の権利を行使することができる。
問題の所在(論点)
手形の所持人が「正当な所持人」として認められる場合、その権利行使が認められるか。また、原審が確定した事実と異なる事実を上告理由とすることができるか。
規範
手形法上の権利行使の要件として、所持人が裏書の連続等により適法に権利者と推定されること、または実質的権利を有することを要する。
重要事実
被上告人が本件手形を所持し、その正当な所持人であると原審において認定された。上告人は原審の事実認定とは異なる事実を主張して、被上告人の正当な所持人としての地位を争い、上告を提起した。
あてはめ
原審が適法に確定した事実によれば、被上告人は本件手形の正当な所持人であると判断される。上告人の主張は原審が認定した事実に反する独自の主張に基づいているため、採用できない。
結論
被上告人は本件手形の正当な所持人であり、その権利行使を認めた原判決は正当であるとして、上告を棄却した。
実務上の射程
手形法第16条1項等の権利推定規定に基づき、適法な所持人であれば権利行使が可能であるという基本原則を確認するものである。実務上は、事実認定の段階で正当な所持人か否かが争点となり、最高裁では原審の事実認定を前提とする限り、その法的結論を維持する傾向を示す一例といえる。
事件番号: 昭和32(オ)1011 / 裁判年月日: 昭和33年1月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】具体的な事情があるからといって、上告人の立場が尊重されず財産権がみだりに侵害されたとはいえず、違憲の主張は認められない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が自身の立場を尊重せず、財産権をみだりに侵害したとして、憲法違反を理由に上告を提起した(事案の具体的な背景事実は判決文からは不明)。 第2 問…