判旨
控訴審の第1回口頭弁論期日に一方の当事者が欠席した場合でも、裁判所は出頭した当事者に第1審の弁論結果を陳述させた上で、第1審判決を引用して判決を言い渡すことができる。
問題の所在(論点)
控訴審の第1回口頭弁論期日に一方が欠席した場合において、裁判所が出頭した当事者に第1審の弁論結果を陳述させて判決を下すこと、およびその際に第1審判決を引用することの適法性が問題となる。
規範
控訴審における最初の口頭弁論期日に当事者の一方が出頭しないとき、裁判所は出頭した当事者に第一審における当事者双方の口頭弁論の結果を陳述させた上で判決をすることができる。また、控訴判決の事実および理由の記載については、第一審判決を引用することが許される(民事訴訟法旧391条、現305条、306条、281条等参照)。
重要事実
控訴審の第1回口頭弁論期日において、当事者の一方(上告人)が出頭しなかった。裁判所は、出頭した相手方当事者に第1審での弁論結果を陳述させた。その後、裁判所は第1審判決を引用する形で事実および理由を記載した控訴判決を言い渡した。これに対し、上告人は当該手続が違法であるとして上告した。
あてはめ
本件において、控訴審の初回期日に一方が欠席しているが、裁判所は出頭した当事者に対し、第1審における双方の口頭弁論の結果を陳述させている。これは控訴審が続審制をとることに基づく適法な手続である。また、判決書に第1審判決を引用することは、当時の民事訴訟法391条(現305条に相当)において明示的に認められた手法である。したがって、手続上の違法は認められない。
結論
控訴審の初回期日に一方当事者が欠席した場合であっても、出頭した当事者に第1審の弁論結果を陳述させ、第1審判決を引用して判決を下すことは適法である。
事件番号: 昭和34(オ)871 / 裁判年月日: 昭和36年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審において、控訴人が第一審の口頭弁論の結果および控訴の趣旨を陳述した場合には、それによって弁論および審判の範囲が画定され、相手方の反対申立てを要しない。 第1 事案の概要:上告人(控訴人)は、原審(控訴審)の第一回口頭弁論において、第一審における口頭弁論の結果を陳述し、あわせて控訴の趣旨を陳述…
実務上の射程
控訴審における一方欠席時の「陳述擬制」や「続審制」の具体的運用を確認する判例である。答案上は、控訴審の審理構造や判決書の簡略化(第1審引用)の根拠を問われた際に、民事訴訟法305条等の規定を裏付ける解釈として活用できる。
事件番号: 昭和34(オ)473 / 裁判年月日: 昭和35年7月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決言渡期日の呼出がなされなかったとしても、その一事のみをもって直ちに判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違背があるとはいえない。 第1 事案の概要:上告人の代理人は、第一審判決正本の交付送達を昭和33年8月27日に受け、同年9月11日に控訴を申し立てた。原審(控訴審)は、判決言渡期日を昭和34年…
事件番号: 昭和32(オ)122 / 裁判年月日: 昭和33年7月22日 / 結論: 棄却
控訴審において当事者が第一審における口頭弁論の結果を陳述すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、出頭した当事者に、双方に係る第一審口頭弁論の結果を陳述させることができる。
事件番号: 昭和36(オ)207 / 裁判年月日: 昭和36年9月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審判決の理由記載において、第一審判決を引用することは民事訴訟法の規定に基づき適法であり、控訴審の独立した裁判を妨げるものではない。 第1 事案の概要:上告人は、控訴審判決が理由の記載において第一審判決を引用したことについて、それが控訴審の不羈独立の裁判を妨げるものであると主張して上告を申し立て…
事件番号: 昭和37(オ)181 / 裁判年月日: 昭和38年7月11日 / 結論: 棄却
民訴法第四二〇条第一項但書の「当事者」とは、当事者の訴訟代理人を含むものと解すべきである。