控訴審において当事者が第一審における口頭弁論の結果を陳述すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは、出頭した当事者に、双方に係る第一審口頭弁論の結果を陳述させることができる。
当事者の一方だけが出頭した場合における民訴第三七七条第二項の手続。
民訴法377条2項
判旨
控訴審において当事者の一方が最初の口頭弁論期日に欠席した場合、出頭した相手方に第一審における口頭弁論の結果を陳述させることができ、その経緯が判決に表示されていなくても判決に影響を及ぼさない。
問題の所在(論点)
控訴審の初回期日における当事者欠席時、出頭した当事者に第一審の口頭弁論結果を陳述させることの可否、およびその陳述の経緯を判決に表示しないことが判決の違法事由となるか。
規範
民事訴訟法上の訴状等陳述のみなし(現行法158条、297条)は控訴審にも適用される。控訴審の最初の期日において、一方の当事者が欠席した場合には、出頭した当事者に双方の第一審口頭弁論の結果を陳述させることができると解すべきである。
重要事実
控訴人(上告人)が控訴審の最初の口頭弁論期日に欠席した。原審は控訴状の記載事項を控訴人が陳述したものとみなし、出頭した被控訴人に弁論を命じた。被控訴人代理人は、第一審判決の記載通りに第一審における口頭弁論の結果を陳述した。しかし、原判決にはこの陳述の経緯が明示的に表示されていなかったため、上告人はこれを違法として上告した。
事件番号: 昭和35(オ)236 / 裁判年月日: 昭和35年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審の第1回口頭弁論期日に一方の当事者が欠席した場合でも、裁判所は出頭した当事者に第1審の弁論結果を陳述させた上で、第1審判決を引用して判決を言い渡すことができる。 第1 事案の概要:控訴審の第1回口頭弁論期日において、当事者の一方(上告人)が出頭しなかった。裁判所は、出頭した相手方当事者に第1…
あてはめ
民訴法158条(旧138条)の趣旨を控訴審に及ぼすと、一方が欠席しても出頭した者が相手方の主張等を含めて陳述することで審理を進行させることは許容される。本件では被控訴人が第一審の口頭弁論結果を陳述しており、記録上、当事者双方の主張・立証が原判決摘示の通りに帰結していることは明白である。したがって、手続上の経緯が判決書に具体的に記載されていなくても、実質的な審理内容に疑義はなく、判決の結果に影響を及ぼす違法とはいえない。
結論
控訴審初回期日に欠席した当事者がいても、出頭した相手方に第一審の弁論結果を陳述させることは適法であり、その旨の判決への不記載も判決を破棄すべき違法とはならない。
実務上の射程
控訴審における「第一審の口頭弁論の結果の陳述」(現行法296条2項)が、一方当事者の欠席時でも現行法158条・297条の類推適用等により有効に行われ得ることを示す。答案上、期日欠席時の擬制陳述の範囲や、手続的瑕疵が判決に及ぼす影響を論じる際の論拠となる。
事件番号: 昭和40(オ)319 / 裁判年月日: 昭和41年11月22日 / 結論: 棄却
裁判所は、訴訟が裁判をするに熟するときは、当事者双方不出頭の場合でも弁論を終結し、判決言渡期日を指定することができ、この場合には更めて呼出をせずに、該指定期日に判決を言渡しても違法ではない。
事件番号: 昭和44(オ)885 / 裁判年月日: 昭和45年1月30日 / 結論: 棄却
民訴法一三八条は控訴審にも適用がある。
事件番号: 昭和38(オ)877 / 裁判年月日: 昭和39年7月21日 / 結論: 棄却
当事者双方に対し適法な期日の呼出または告知がされて開かれた弁論期日に、当事者の一方が不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知があったときは、その告知は右期日に出廷していなかった当事者に対しても効力を生じる。
事件番号: 昭和32(オ)958 / 裁判年月日: 昭和33年5月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が証拠を排斥するに際してその理由を個別に説示する必要はなく、また控訴審が第1審判決の理由を引用することも適法である。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)が特定の証人の証言やその他の証拠を採用しなかったことにつき、理由の不備がある旨を主張して上告した。また、控訴審が第1審判決の理由を引…