都市計画法に基づく換地後の土地が現況も公簿上も農地であるが、農地買収は除外された(自創法五条四号参照)ような関係にあるときでも、右農地の賃貸借契約の解除については農地法20条による制限を受ける。
都市計画法の適用上農地買収から除外された農地の賃貸借契約解除に農地法第20条の適用があるか。
判旨
農地の賃貸借の解約等の制限を定めた農地法20条に基づく知事の許可は、土地の引渡請求訴訟における訴権行使の要件や訴訟条件ではない。また、農地を換地処分とした場合であっても、当然に農地法の適用が排除されるものではない。
問題の所在(論点)
1. 農地の換地処分によって、当然に農地法の適用が排除されるか。2. 農地法20条(現行18条)所定の知事の許可は、賃貸借の終了に基づく土地引渡請求訴訟における訴訟条件であるか。
規範
1. 農地法の適用に関し、換地処分があったとしても直ちに農地としての性質が失われるわけではなく、実態に応じて農地法の適用有無を判断すべきである。2. 農地法20条(現行18条)が定める知事の許可は、実体法上の解約等の効力発生要件ではあるが、当該許可を得ていることは訴訟を提起するための要件(訴権行使の要件)や訴訟条件(裁判所が本案審理を行うための前提条件)ではない。
重要事実
上告人は、農地である本件土地について換地処分がなされたことを理由に、当該土地は当然に宅地として取り扱われるべきであり、農地法の適用は排除されると主張して引渡を求めた。また、農地法に基づく知事の許可がない状態での訴訟提起の可否等が争点となった(具体的な契約関係や換地に至る経緯の詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
1. 本件換地が法律上当然に宅地として取り扱われるべきであるとの主張は、農地の現況や農地法の目的に照らし、独自の見解に過ぎず採用できない。2. 原判決の判断において、農地法20条の知事の許可を訴権行使の要件や訴訟条件としていない点は正当である。許可はあくまで私法上の解約等の効力を完成させる要件にとどまり、訴訟の提起そのものを妨げるものではないと解される。
事件番号: 昭和40(オ)1482 / 裁判年月日: 昭和41年7月26日 / 結論: その他
農地の賃貸借の解除は、訴を以てする場合であつても、都道府県知事の許可を受けないかぎり、その効力を生じない。
結論
本件土地には農地法の適用があり、また、知事の許可は訴訟条件ではないため、許可がないことを理由に直ちに訴えを不適法とすることはできない。上告棄却。
実務上の射程
農地賃貸借の解除等に伴う建物収去土地明渡請求訴訟において、知事の許可を得る前であっても訴えを提起することは可能であり、許可の欠如は訴え却下事由(訴訟条件)ではなく、請求の認容に関わる実体法上の問題(引換給付や条件付判決の可否等)として処理されるべきことを示唆している。
事件番号: 昭和37(オ)218 / 裁判年月日: 昭和38年5月10日 / 結論: 棄却
農地賃貸借解除の意思表示は、裁判上なされる場合でも、知事の許可を受けていない以上、農地法第二〇条により無効と解する。