判旨
土地が自動車運転練習場として賃貸され、建物がその使用目的の便益に供するため付随的に設置されたに過ぎない場合、借地法の適用はない。
問題の所在(論点)
自動車練習場としての土地利用に付随して建物が設置された場合に、当該土地賃貸借が旧借地法1条にいう「建物の所有を目的とする」ものに該当するか。
規範
借地法(現行の借地借家法2条1号)にいう「建物の所有を目的とする」土地の賃貸借に該当するか否かは、契約の主たる目的、土地の使用態様、および建物の役割を総合的に考慮して判断すべきである。建物が土地の使用目的を達成するための付随的なものに過ぎない場合には、同法の適用はない。
重要事実
本件土地は、自動車運転の練習場として使用することを目的として、期限の定めなく賃貸された。その際、土地上に建物が設置されたが、これは自動車練習場としての使用目的の便益に供するために付随的に設けられたものであった。
あてはめ
本件では、賃貸借の主たる目的は自動車運転練習場としての土地利用にあり、建物の存在はあくまでその練習場運営の便宜を図るための従属的なものに過ぎない。このように、建物の所有が独立した主たる目的ではなく、非堅固な土地利用の付随的施設に留まる場合、強行法規による強い保護を伴う借地法の適用対象とはならないと評価される。
結論
本件賃貸借契約には借地法の適用がないため、借地権の成立を前提とする上告人の主張は認められない。
実務上の射程
ゴルフ練習場、バッティングセンター、駐車場などの広大な土地利用に際し、管理棟や待合室等の建物が設置される事案における「主たる目的」の判断基準として活用できる。答案では、建物所有が独立した目的か、土地利用の手段に過ぎないかを事実認定から論じる際の規範となる。
事件番号: 昭和37(オ)1195 / 裁判年月日: 昭和38年9月26日 / 結論: 棄却
建築材料の製造販売を営む者に対し、右材料置場として使用する目的で土地を賃貸した場合においては、賃借人によつてその土地上に事務所、倉庫等の建設がなされたとしても、当該土地賃貸借を借地法第一条にいわゆる建物の所有を目的とするものとすることはできない。
事件番号: 昭和34(オ)759 / 裁判年月日: 昭和35年10月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】権利の濫用(民法1条3項)の成否は、原審が確定した事実に即して判断されるべきであり、権利行使が正当な範囲を逸脱していると認められない限り、その請求は容認される。 第1 事案の概要:本判決文からは具体的な事案の詳細は不明であるが、上告人が被上告人の請求に対し、民法1条に違反する権利の濫用であると主張…