判旨
訴訟代理人が選任されている場合、当事者が解散しても訴訟手続の中断は生じない。また、口頭弁論調書によって控訴の取下げが確認できる以上、その後に取下げを否定する書面が提出されても取下げの事実は左右されない。
問題の所在(論点)
当事者が解散した場合において訴訟代理人が選任されているときの訴訟手続中断の成否、および口頭弁論調書に記載された控訴取下げの事実をその後の申立書等で否定できるか。
規範
1. 訴訟代理人が選任されている場合には、当事者が解散等の事由により訴訟能力を喪失しても、訴訟手続の中断は生じない。 2. 口頭弁論期日における訴訟行為の有無は口頭弁論調書の記載に基づいて判断されるべきであり、調書の記載により取下げの事実が明らかな場合、その後に提出された書面等によって取下げの意思や事実を否定することはできない。
重要事実
上告人は控訴審の口頭弁論期日において控訴を取り下げたが、その後、口頭弁論再開申立書や内容証明郵便を提出し、取下げの意思や事実を否定した。また、被上告人である組合が解散したため、訴訟手続の中断が生じるか、および受継申立てに対する判断が必要かが争点となった。なお、被上告人は第一審において上訴の特別権限を有する弁護士を訴訟代理人に選任していた。
あてはめ
1. 被上告人組合が解散したとしても、第一審において上訴の特別権限を有する弁護士を訴訟代理人に選任していたことが記録上明瞭である。したがって、訴訟手続の中断は生じず、原審が受継申立てに対し判断を示す必要はなかった。 2. 控訴の取下げが口頭弁論期日になされたことは口頭弁論調書の記載により一見明瞭である。調書によって事実が証明されている以上、その後に口頭弁論再開申立書等が提出されたとしても、取下げの意思及び事実がなかったとすることはできない。
結論
本件訴訟手続は中断せず、また、口頭弁論調書の記載通り控訴取下げの効力は認められる。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法124条2項(訴訟代理人がある場合の中断の特例)の適用関係を確認する事案。当事者の地位の承継(解散等)があったとしても、代理権が消滅しない限り手続は続行される。また、期日における訴訟行為の存否に関する調書の強い証明力(同法160条3項参照)を再確認する素材として活用できる。
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事件番号: 昭和32(オ)1136 / 裁判年月日: 昭和37年1月16日 / 結論: 棄却
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