判旨
旧土地区画整理法に基づき行われた換地予定地の指定処分は、新法施行後に手続規定の差異が生じたとしても、新法施行法に基づき新法上の仮換地指定としての効力を維持する。
問題の所在(論点)
法令の改廃があった場合において、旧法に基づいてなされた行政処分が新法上の処分として有効に存続するか。特に、新法と旧法で手続的要件に差異がある場合、新法施行法6条等の経過規定により「相当する規定」に基づく処分とみなすことができるか。
規範
旧法に基づく行政処分は、新法施行時にそれと相当する規定が新法に存在する場合、新法施行法(経過規定)の適用により、新法によってなされた処分とみなされる。両法間で手続上の細かな相違(通知方法の併合義務の有無等)があったとしても、処分の実質において相当性が認められる限り、その効力は否定されない。
重要事実
上告人は、旧土地区画整理法(旧法)に基づいてなされた本件換地予定地の指定処分について、無効を主張して争った。その理由は、新法(土地区画整理法)においては「換地予定地の指定」と「使用開始日の指定」を合わせて通知すべきとされているのに対し、本件処分当時はそのような規定がなく、新法の要件を欠いているため新法上の仮換地指定として効力を有しないというものであった。
あてはめ
本件換地予定地指定当時の旧法には、使用開始日の指定と合わせて通知すべき旨の規定は存在しなかった。一方で、新法施行法6条は、旧法による処分に相当する規定が新法に存する場合には新法による処分とみなすと定めている。換地予定地の指定と仮換地の指定は実質的に相当する処分である。したがって、通知方法という手続上の多少の相違があるからといって、旧法による処分が新法上の指定に相当しないとはいえず、当然に無効とはならないと評価される。
結論
本件換地予定地指定処分は新法上の仮換地指定としての効力を有し、無効ではない。上告を棄却する。
事件番号: 昭和36(オ)1183 / 裁判年月日: 昭和37年12月14日 / 結論: 棄却
私人に権利を設定しまたは義務を免除する行政処分は、その成立に瑕疵があつても、処分庁において職権でこれを取り消し、変更し得るには、当該処分を取り消し、変更することの公益上の必要性が、処分関係人をしてその取消・変更による不利益を受忍させるに足るほど緊要なものであることを必要とする。
実務上の射程
法改正に伴う経過措置の解釈に関する判例である。行政処分の効力継続を判断する際、実質的な処分の同一性(相当性)があれば、細部の手続要件の不一致のみをもって直ちに「相当する規定がない」として無効にすべきではないという判断指針を示している。
事件番号: 昭和42(行ツ)99 / 裁判年月日: 昭和47年12月8日 / 結論: 棄却
旧特別都市計画法に基づき換地予定地が指定されたのちにおいても、区画整理事業の規模の大幅縮減に伴い、同土地を換地予定地から除外する必要を生じ、指定の相手方もいまだ現実に同土地の使用収益を行なつていないなど判示のような事情があるときは、区画整理事業施行者は、同土地につき換地予定地の指定を取り消す旨の変更指定処分をすることが…
事件番号: 昭和53(行ツ)169 / 裁判年月日: 昭和55年7月10日 / 結論: 棄却
土地区画整理組合が、原則として公簿地積を基準地積とし例外的に実測地積による方法で土地区画整理事業を施行する場合において、定款には地積決定の方法に関する原則的な基準のみを定め、例外的な措置については定款の委任により執行機関の制定する執行細則等における定めに委ねることも許される。
事件番号: 昭和57(行ツ)128 / 裁判年月日: 昭和60年12月17日 / 結論: 棄却
一 土地区画整理組合の設立認可は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 二 土地区画整理組合の事業施行地区内の宅地の所有者は、右事業施行に伴う処分を受けるおそれのあるときは、同組合の設立認可処分の無効確認訴訟につき原告適格を有する。 三 甲が、乙を被告とする丙土地区画整理組合の設立認可処分の無効確認請求と同組合を被告…
事件番号: 昭和34(オ)392 / 裁判年月日: 昭和36年12月12日 / 結論: 棄却
仮換地の指定にあたつてなさるべき従前の宅地との照応考慮は、原則として、土地区画整理事業開始の時における状況を基準としてなすべきである。