判旨
上告理由が原審の事実認定や証拠の取捨判断を非難するもの、または原審で主張しなかった事項を前提とするものである場合、これらは採用し得ない。
問題の所在(論点)
事実認定の非難や、控訴審で主張しなかった事実に基づく主張、および証拠の取捨選択に対する不服が、適法な上告理由となるか。
規範
最高裁判所への上告理由として認められるためには、憲法違反や重大な訴訟手続の違法等の法定事由が必要であり、単なる原審の事実認定の非難、証拠の取捨選択に対する不服、あるいは原審で主張していない新たな事実を前提とする主張は、適法な上告理由とはならない。
重要事実
上告人は、原審の事実認定および法律上の判断、さらには証拠の取捨判断について不服を申し立て、上告理由を構成した。この中には、上告人が原審(控訴審)において主張していなかった事実を前提とする主張も含まれていた。
あてはめ
上告人の主張は、いずれも原審の事実認定を独自の見解で非難するものや、原審の裁量に属する証拠の取捨判断を争うものに帰する。また、原審で主張しなかった事実を前提とする主張も含まれている。これらは、上告審の対象となるべき憲法違反や判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反の具体的な指摘を欠くものであり、上告審の判断の域を逸脱している。
結論
本件上告は理由がないものとして棄却される。
実務上の射程
民事訴訟における上告審(事後審)の性格を示すものであり、事実認定や証拠評価の妥当性を争うのみでは上告理由として不適法であることを確認する実務上の基本。答案上は、上告理由の制限について論じる際の法的帰結として言及される。
事件番号: 昭和26(オ)234 / 裁判年月日: 昭和26年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件上告は、民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人等は、原判決を不服として最高裁判所に上告を提起した。しかし、その上告理由の内容は、上告特例法に定められた具体的な上告事由を充足す…
事件番号: 昭和31(オ)289 / 裁判年月日: 昭和31年9月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原審の適法な事実認定を非難するものにすぎない場合、民事訴訟法上の適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人らが原審の事実認定を不服として上告を提起したが、上告理由の内容は、原審の証拠評価や事実認定のプロセスに対する非難を主とするものであった。 第2 問題の所在(論点):事実…
事件番号: 昭和33(オ)345 / 裁判年月日: 昭和34年8月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において、原審で主張していなかった新たな事実上の主張を基礎として原判決の違法をいうことは、民事訴訟の手続上許されない。 第1 事案の概要:上告人(賃借人)は、被上告人(賃貸人)からなされた月額5,000円の延滞賃料の催告に基づく契約解除を争っていた。上告人は、上告審において、当該催告より以前…
事件番号: 昭和28(オ)633 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が更正決定によるべき事項や事実認定の非難にすぎず、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の不服を申し立てて上告したが、その主張内容は更正決定によって解決されるべき事項、または原審の事実認定を非難するものであった。 第2 問題の所在…
事件番号: 昭和31(オ)967 / 裁判年月日: 昭和32年10月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原審の適法な事実認定を争うにすぎない場合、原判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背があるとは認められないため、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人らが原審による事実認定の不当を主張して上告を提起したが、その主張は原審の適法な事実認定を争うにとどまるものであった。 第2 問題の所在(…