判旨
当事者双方の不出頭により訴訟手続が休止した場合、控訴の取下げとみなされる期間内に期日指定の申立てがあったか否かは、裁判所が職権で調査すべき事項である。また、期日延期の申請が却下された上で双方が不出頭となった場合、裁判所は職権で期日を指定できるが、指定する義務はない。
問題の所在(論点)
1. 当事者双方の不出頭による訴訟休止後の期日指定申立ての有無について、裁判所はどのように調査すべきか。2. 期日延期申請が却下された後の双方不出頭に対し、裁判所は職権で期日を指定する義務を負うか。
規範
1. 訴訟手続の休止後、法定期間(現行民訴法263条後段参照)内に口頭弁論期日指定の申立てがあったか否かは、裁判所が職権をもって調査すべき事項である。その際、裁判所は必要と認める証拠資料を職権で取り調べうるが、当事者の提出した証拠のみを調査して判断することも妨げられない。2. 期日延期の申請が不採用として却下された場合、当該期日に双方が不出頭であれば手続は休止する。裁判所は職権で期日を指定し得るが、これを指定すべき義務を負うものではない。
重要事実
控訴審において、当事者双方が口頭弁論期日に不出頭となった。上告人(控訴人)側は、事前になされた期日延期申請が却下されたものの、休止期間内に期日指定申立書を提出したと主張したが、原審はその事実を認めず、3ヶ月の経過により控訴が取り下げられたものとみなした。上告人は、裁判所が期日指定申立ての有無を十分に証拠調べしなかったこと、及び職権で期日を指定すべきであったことを不服として上告した。
あてはめ
1. 調査方法について、期日指定申立ての有無は職権調査事項である。原審は提出された証拠に基づき申立ての事実を否定しており、必ずしも職権で追加の証拠調べを尽くす必要はない。2. 職権による期日指定について、延期申請が却下された以上、不出頭による休止の効果は当然に生じる。その後、裁判所が職権で期日を指定することは可能だが、義務ではないため、指定しなかったことに違法はない。3. 以上から、期間内に有効な申立てがなかった以上、法律の規定通り控訴の取下げがあったものとみなされる。
結論
控訴の取下げがあったものとみなした原判決は相当である。訴訟が終了した後に提出された控訴理由書等について、裁判所が判断を加える必要はない。
事件番号: 昭和34(オ)337 / 裁判年月日: 昭和34年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者が口頭弁論期日において控訴理由を陳述し、相手方が否認の主張をした後、裁判長が弁論を終結した事案において、当事者が証拠申出や期日続行の申立てを特に行っていないのであれば、手続上の法令違背はない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和33年2月28日の原審第1回口頭弁論期日において控訴理由書に基づき…
実務上の射程
民事訴訟法263条(訴訟の終了等)の適用場面において、裁判所の職権調査の範囲と、休止後の職権による期日指定が裁量事項であることを示した。実務上、期日指定申立てを確実に行う責任は当事者にあり、裁判所による救済を当然に期待することはできないことを強調するものである。
事件番号: 昭和39(オ)1074 / 裁判年月日: 昭和40年10月19日 / 結論: 棄却
一 上告人(控訴人)訴訟代理人の所為が、上告理由第一点記載の通りであつたか否かを問わず、当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、民訴法第一二七条の釈明権の行使として、当事者に対し、所論のごとき処置を採るべき裁判所の義務は存しない。 二 当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、証拠調の施行など、裁判所が職権で施行すべき手…