更生債権または更生担保権の届出が届出期間経過後になされ、しかも、会社更生法一二七条所定の要件をそなえないものであつても、管財人、更生債権者、更生担保権者および株主に異議がなく、調査の一般期日においてその調査をすることとなつた以上、前記の期間の徒過を事由とする異議は許されない。
会社更生法一三八条一項後段の規定によつて調査することとなつた更生債権または更生担保権と届出期間の徒過を事由とする異議の許否
会社更生法127条,会社更生法138条1項,会社更生法143条
判旨
会社更生手続において、届出期間を徒過し追完要件も欠く債権であっても、関係者全員の異議なく一般調査期日で調査された以上、期間懈怠や追完要件の欠如を理由とする異議は許されない。
問題の所在(論点)
届出期間を徒過し、かつ追完要件を欠く更生債権について、関係者全員の承諾(異議なきこと)により調査が実施された場合、後から「期間懈怠による失権」を理由として債権を否定できるか(異議事由の制限)。
規範
1. 会社更生手続の一般調査期日において、届出期間を徒過し、かつ追完(旧法127条等)の要件を欠く債権であっても、管財人・更生債権者・更生担保権者・株主の全員が調査することに異議を述べないときは、これを調査することができる。2. 一旦調査することに異議がなく調査が行われた以上、異議の事由は債権の内容等の実体的事項に限られ、届出期間の徒過や追完要件の欠如といった手続的瑕疵を異議の事由とすることはできず、債権確定訴訟においても当該事由による排斥は認められない。
重要事実
更生債権者(被上告人)は、届出期間経過前に生じた債権について、期間経過後に届出を行った。この届出は、被上告人の責に帰すべからざる事由によるものではなく、追完要件を満たしていなかった。しかし、一般調査期日において、管財人(上告人)を含む出席者全員が、本件債権を同期日に調査すること自体には異議を述べず、調査が実施された。その後、管財人は「期間内に届出がなく追完事由もないため失権した」との理由で異議を述べ、債権確定を争った。
あてはめ
本件更生債権は期間徒過後の届出であり追完要件も欠いていたが、一般調査期日において上告人管財人ら全員が同期日で調査することに異議を述べなかった。これにより、本来であれば失権すべき債権が適法に調査対象として取り込まれたものと評価される。一度調査が開始された後は、異議の対象は債権の存否や額等の実体的調査事項に限られるべきであり、既に治癒されたとみなされる「届出の遅滞」を蒸し返すことは信義則ないし手続の安定性の観点から許されない。したがって、管財人が主張する期間懈怠の事由は、適法な異議事由となり得ない。
結論
本件債権の届出が期間懈怠であることを理由に請求を排斥することはできず、上告は棄却される。
実務上の射程
更生手続(現行法下の更生債権・更生担保権の調査手続)全般において、期間懈怠の抗弁が手続の進行(調査の実施)によって封じられる局面を示す。届出遅滞があっても、実務上、管財人が異議なく調査に付した場合には、もはや実体的な存否のみが争点となることを念頭に置くべきである。
事件番号: 昭和52(オ)867 / 裁判年月日: 昭和53年1月23日 / 結論: 棄却
手形の原因債権の消滅時効が完成しない間に手形授受の当事者間で仮執行宣言付支払命令により手形債権が確定した場合には、原因債権の消滅時効期間は右支払命令確定の時から一〇年となる。
事件番号: 昭和34(オ)337 / 裁判年月日: 昭和34年12月24日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和28(オ)494 / 裁判年月日: 昭和28年10月8日 / 結論: 棄却
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