口頭弁論期日において当事者双方が不出頭であつても、口頭弁論を終結することができる。
当事者双方不出頭の口頭弁論期日における弁論終結の許否
民訴法182条,民訴法238条
判旨
当事者の双方が口頭弁論期日に欠席した場合であっても、訴訟が裁判をするのに熟しているときは、裁判所は民事訴訟法上の職権により口頭弁論を終結し、終局判決をすることができる。
問題の所在(論点)
当事者の双方が口頭弁論期日に出頭しない場合、裁判所は職権で口頭弁論を終結し、判決を言い渡すことができるか。当事者双方不出頭による訴訟の中断(休止)規定との関係が問題となる。
規範
訴訟が裁判をなすに熟するときは、裁判所は口頭弁論を終結して終局判決をすることができる(民事訴訟法243条1項、旧182条)。この裁判所の職権行使は、当該口頭弁論期日に当事者の双方が欠席していることによって妨げられるものではない。当事者双方の不出頭による訴訟の中断を定めた規定(現263条、旧238条)は、裁判所が口頭弁論を終結せず、かつ新期日の指定もせずに期日を終了させた場合の取扱いを定めたものにすぎない。
重要事実
原審の第7回口頭弁論期日において、当事者双方が不出頭であった。裁判所は、当事者が不在であるにもかかわらず、その期日に口頭弁論を終結した。その後、第8回口頭弁論期日において判決が言い渡された。これに対し、上告人は当事者双方が欠席した場合には口頭弁論を終結できない旨を主張して争った。
事件番号: 昭和40(オ)319 / 裁判年月日: 昭和41年11月22日 / 結論: 棄却
裁判所は、訴訟が裁判をするに熟するときは、当事者双方不出頭の場合でも弁論を終結し、判決言渡期日を指定することができ、この場合には更めて呼出をせずに、該指定期日に判決を言渡しても違法ではない。
あてはめ
民事訴訟法243条1項(旧182条)によれば、裁判所は訴訟が結審の段階にあると判断すれば職権で弁論を終結できる。本件において、当事者双方が期日に出頭していなくとも、それ以前の審理によって裁判をするに十分な程度に熟していると裁判所が判断した以上、職権による結審は何ら妨げられない。また、不出頭時に訴訟を当然に中断させる規定は、裁判所が特段の措置を講じなかった場合のデフォルトの扱いを定めたものにすぎず、裁判所による積極的な終結決定を制限するものではないと解される。
結論
当事者双方が欠席していても、訴訟が裁判をなすに熟しているときは、裁判所は口頭弁論を終結して終局判決をすることができる。
実務上の射程
裁判所が訴訟を完結させるための職権性を重視した判例であり、当事者の不誠実な欠席による訴訟遅延を防止する実務上の意義がある。答案上は、弁論の終結に関する裁判所の裁量権を論述する際や、当事者双方不出頭(休止)の要件を検討する際の反対解釈の根拠として利用できる。
事件番号: 昭和34(オ)1051 / 裁判年月日: 昭和36年6月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者双方の不出頭により訴訟手続が休止した場合、控訴の取下げとみなされる期間内に期日指定の申立てがあったか否かは、裁判所が職権で調査すべき事項である。また、期日延期の申請が却下された上で双方が不出頭となった場合、裁判所は職権で期日を指定できるが、指定する義務はない。 第1 事案の概要:控訴審におい…