判旨
当事者が病気等の理由で期日延期を申請した場合であっても、診断書等の資料から必ずしも出頭不能と認められないときは、裁判所が申請を却下して不出頭のまま弁論を終結させることは適法である。
問題の所在(論点)
当事者が診断書を添えて期日延期を申請した際に、これを却下して不出頭のまま弁論を終結させる措置は、裁判所の裁量権の逸脱として違法となるか。
規範
訴訟手続における期日の変更や延期の許否は、裁判所の職権(裁量)に属する。当事者が病気等の事由を主張して期日の延期を求めた場合であっても、提出された資料等に照らし、客観的に当該期日への出頭が不可能であると認められないときには、裁判所は延期申請を却下し、そのまま審理を進行させることができる。
重要事実
上告人(被告会社代表者)は、病気等を理由とする診断書を提出した上で、裁判所に対して口頭弁論期日の延期を申請した。しかし、原審(控訴審)は当該申請を却下し、上告人が不出頭のまま弁論を終結した。これに対し、上告人が手続の違法を主張して上告した事案である。
あてはめ
本件において提出された診断書の内容を検討しても、上告人が主張する期日に必ずしも出頭できなかったものとは認めがたい。したがって、原審が代表者の期日延期申請を却下し、不出頭のまま弁論を終結させたとしても、審理の適正を欠くような違法な手続とはいえない。また、その他の証拠調べ(甲1号証の成立等)についても、原審の判断に不合理な点は認められない。
結論
裁判所が期日延期申請を却下して弁論を終結させた措置に違法はなく、本件上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法における期日変更の裁量権に関する判例である。診断書が提出されていても、その内容が「絶対的・客観的な出頭不能」を裏付けるものでない限り、裁判所による続行・結審の判断は適法とされる可能性が高い。実務上、期日変更を認めるべき「顕著な事由」の存否判断において、診断書の証明力が厳格に吟味されることを示唆している。
事件番号: 昭和32(オ)830 / 裁判年月日: 昭和35年3月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者の疾病や代理人の辞任を理由とする期日変更の申立てについて、疾病が真に出頭不能な程度であることを推知させる資料がなく、かつ期日までに対処可能な時間的猶予がある場合には、裁判所が申立てを却下して不出頭のまま結審しても適法である。 第1 事案の概要:上告人の訴訟代理人は、指定された口頭弁論期日の2…