判旨
婚姻予約の当事者一方による不当な破棄について、当該当事者の言動のみならず、その親等の第三者がこれに加担して婚姻予約破棄の事実を惹起させた場合には、当該第三者も連帯して損害賠償責任を負う。
問題の所在(論点)
婚姻予約が当事者の一方によって破棄された場合において、その当事者以外の第三者(親等)が破棄に関与したとき、当該第三者も損害賠償責任を負うか。婚姻予約破棄の責任主体が問題となる。
規範
婚姻予約は将来において婚姻を成立させることを目的とする合意であり、正当な理由なくこれを破棄した者は、相手方に対して不法行為または債務不履行に基づき損害賠償責任を負う。また、当事者以外の第三者であっても、当事者の言動と相まって婚姻予約の破棄という結果を実質的に惹起させたと認められる場合には、当該第三者も賠償責任の主体となり得る。
重要事実
上告人Aは被上告人と婚姻の予約をしていたが、後にこれを破棄した。この破棄に際し、上告人Aの言動だけでなく、上告人B(親等の第三者)の行動が相まって、最終的に婚姻予約破棄という事実が引き起こされた。被上告人は上告人らに対し、不当な婚姻予約破棄を理由として損害賠償を求めた。
あてはめ
本件において、上告人Aによる婚姻予約破棄の言動と、上告人Bによる一連の行動は、個別に機能したものではなく、互いに相まって一つの婚姻予約破棄という結果を招いたものと認められる。第一審および原審が認定した事実関係によれば、Bの行動は単なる助言の範囲を超え、Aの破棄行為と一体となって損害を発生させた原因となっている。したがって、両者の行為は共同して損害を惹起させたものとして、損害賠償の原因を成すと判断される。
結論
上告人AおよびBは、被上告人に対し、婚姻予約の不当破棄に基づく損害について連帯して賠償責任を負う。
事件番号: 昭和35(オ)241 / 裁判年月日: 昭和38年3月26日 / 結論: 棄却
一 原判示の事実関係のもとでは、不法行為が成立するとはみられない。 二 慰藉料額の認定は、原審の裁量に属する事実認定の問題であり、その額が著しく不相当であつて経験則もしくは条理に反するような事情でもないかぎり、その不当をもつて上告理由とはなしえない。
実務上の射程
婚姻予約破棄において、当事者本人のみならず、その親が積極的に介入して破棄を決定づけた場合に、親の不法行為責任(共同不法行為等)を追及する際の根拠となる。答案上は、破棄に至る具体的経緯における第三者の「関与の程度」や「帰責性」を検討する際の指標として活用できる。
事件番号: 昭和38(オ)334 / 裁判年月日: 昭和38年12月20日 / 結論: 棄却
当事者がいずれも高等学校卒業直後であり、男性においてなお大学に進学して学業を継続しなければならないときに肉体関係を結ぶに至つた場合でも、将来夫婦となることを約して肉体関係を結んだものであり、その後も男性において休暇で帰省するごとに肉体関係を継続し、双方の両親も男性の大学卒業後は婚姻させてもよいとの考えで当事者間の右の関…
事件番号: 昭和33(オ)286 / 裁判年月日: 昭和33年10月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】婚姻予約不履行に基づく慰謝料の額は、事実審の口頭弁論終結時までに生じた一切の事情を考慮して、裁判所の自由な裁量により量定することができる。 第1 事案の概要:上告人と被上告人との間には婚姻の予約(婚約)が成立していたが、その後、予約の不履行が生じた。第一審および原審(控訴審)は、当事者間に存する「…
事件番号: 昭和41(オ)819 / 裁判年月日: 昭和41年12月8日 / 結論: 棄却
内縁を不当に破棄された者は相手方に対し不法行為を理由として損害賠償を求めることもできる。