判旨
青色申告の承認が過去に有効に取り消され、その後再承認を受けていない場合には、当該年度の申告について青色申告の特典を享受することはできず、理由附記のない更正も違法とはならない。
問題の所在(論点)
青色申告の承認が取り消された後、再承認を受けていない納税者が、後年の更正決定に対し、青色申告者であることを前提とした理由附記の欠如等の手続的瑕疵を主張できるか。
規範
所得税法(又は法人税法)上の青色申告制度の適用を受けるためには、有効な青色申告の承認が存在することが前提となる。一度承認が適法に取り消され、その後新たに承認を得ていない場合には、当該納税者は白色申告者として扱われ、青色申告者に固有の法的保護(更正の理由附記義務等)を主張することはできない。
重要事実
上告人は、昭和29年度分の申告について、自身を青色申告者であると主張し、理由を具備しない更正決定は不当であり納税義務も存在しないと争った。しかし、事案の経過として、上告人に対する昭和27年度の青色申告承認は、同年7月31日に既に取り消されていた。その後、上告人が再び青色申告の承認を得たという事実は認められなかった。
あてはめ
本件において、上告人の青色申告承認は昭和27年度に既に取り消されており、原審の認定によればその後再承認を得た事実もない。そうであれば、問題となった昭和29年度分の申告時点において、上告人は青色申告を行う資格を有していない。したがって、青色申告であることを前提とした「理由をそなえない更正決定は失当である」との上告人の主張は、その前提を欠くものと言わざるを得ない。
結論
本件申告につき青色申告によることはできず、理由附記のない更正を不当とする上告人の主張は採用できない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
事件番号: 昭和27(オ)6 / 裁判年月日: 昭和33年5月29日 / 結論: 棄却
同族会社たる甲株式会社が、乙株式会社の全株式を買収した後乙会社を合併しついで増資した場合に、右買収代金が乙会社の払込済資本金額と積立金額の合計額を超えていても、それだけで、旧法人税法(昭和一五年法律第二五号)第二八条によつて、右超過金額を合併交付金と認定して課税することは違法である
青色申告の承認取消しの効力が継続している限り、後続の年度において青色申告の法的地位を主張することはできない。答案上は、理由附記義務の有無を論ずる際の前提として、承認の有無や取消しの事実を確定させる局面で引用し得る。
事件番号: 昭和33(オ)311 / 裁判年月日: 昭和38年10月29日 / 結論: その他
一、(省略) 二、附帯上告が上告理由と独立した別個の理由に基づくものである場合には、上告理由書提出期限内に原裁判所に附帯上告状を提出しなければならない。
事件番号: 昭和33(オ)691 / 裁判年月日: 昭和36年7月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】更正決定の理由附記欠如は当然無効事由ではなく、取消事由に過ぎない。また、更正決定の取消しを前提とする過納金還付請求訴訟において、当該決定が不可争力を生じている場合、裁判所はその当然無効といえる事情がない限り、公定力に基づき当該決定を有効なものとして取り扱わなければならない。 第1 事案の概要:上告…
事件番号: 昭和32(オ)953 / 裁判年月日: 昭和34年2月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】青色申告書の提出がなかったという原審の事実認定に不服を申し立てる上告については、単なる事実誤認の主張にすぎないため、上告理由として採用されない。 第1 事案の概要:上告人は、所得税等に関して青色申告書を提出したと主張したが、原審は青色申告書の提出がなかったものと事実認定した。これに対し、上告人が原…