一、(省略) 二、附帯上告が上告理由と独立した別個の理由に基づくものである場合には、上告理由書提出期限内に原裁判所に附帯上告状を提出しなければならない。
一 戦時補償特別措置法第二条による決済があつたと認められた事例 二 附帯上告申立期間
戦時補償特別措置法2条,民訴法372条,民訴規則50条
判旨
税法上の課税要件の成否は、原因となる行為が私法上等で厳密に有効か否かではなく、当事者間で有効なものとして取り扱われ、現実に課税の要件事実が満たされているかによって判断される。したがって、私法上無効となり得る事情があっても、現実の決済や所得の発生が認められる限り、それを前提とした課税は適法である。
問題の所在(論点)
課税の前提となる私法上の行為に無効・取消事由や法令違反がある場合であっても、税法上の課税要件を満たしたものとして租税を賦課することができるか。
規範
税法の見地においては、課税の原因となった行為が法令の厳密な解釈適用の見地から客観的評価において不適法・無効とされるかどうかは問題ではない。課税の原因となった行為が関係当事者の間で有効なものとして取り扱われ、これにより、現実に課税の要件事実が満たされていると認められる場合には、右行為が有効であることを前提として租税を賦課徴収することができる。
重要事実
上告人(会社)は昭和20年、軍需工廠設立のため原材料等の資材を国に約16億円で売却したが、終戦後に同資材を約4億円で買い戻した(払い下げ)。上告人は、当初の売却代金債権(戦時補償請求権)と、払い下げ代金債務を相殺し、戦時補償特別措置法施行前に決済を完了させたと主張した。これに対し課税当局は、当該相殺による決済が有効に存在することを前提として戦時補償特別税を課した。上告人は、国の代表権限の欠如や会計法令違反、制限会社令違反等を理由に、前提となる売買や相殺は私法上無効であり、課税要件(同法2条の決済)を満たさないと争った。
あてはめ
本件では、終戦前後の緊迫した事情下で、一大企業を現状有姿のまま急速に国営移管し、再び原状に復帰させるという特殊な状況があった。国に代表権限の疑義や会計法令違反、制限会社令違反等の事情があったとしても、これらは当事者間で有効な売買・相殺が存在しなかったことを推認させる資料にはなり得るが、直ちに課税を否定するものではない。原審の認定によれば、本件課税処分当時、当事者間では右売買および相殺が有効なものとして取り扱われ、現実に決済が生じていたと認められる。したがって、実態として決済の事実がある以上、戦時補償特別措置法2条の要件は満たされている。
結論
原因行為が私法上または行政法上不適法・無効とされる場合であっても、当事者間で有効として取り扱われ現実に要件事実が満たされている限り、これを前提とした租税の賦課徴収は適法である。
実務上の射程
実質課税の原則(または経済的実質主義)を裏付ける重要判例である。司法試験においては、私法上の無効事由がある取引への課税や、違法な収益(公序良俗違反の行為等)への所得税賦課の可否が問われる場面で、本判例の規範を引用して「法的な有効性よりも経済的実態を重視する」論理を展開する際に使用する。
事件番号: 昭和27(オ)6 / 裁判年月日: 昭和33年5月29日 / 結論: 棄却
同族会社たる甲株式会社が、乙株式会社の全株式を買収した後乙会社を合併しついで増資した場合に、右買収代金が乙会社の払込済資本金額と積立金額の合計額を超えていても、それだけで、旧法人税法(昭和一五年法律第二五号)第二八条によつて、右超過金額を合併交付金と認定して課税することは違法である
事件番号: 昭和44(行ツ)22 / 裁判年月日: 昭和49年5月30日 / 結論: 棄却
旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)一三条一項二号は、法人が合併した場合の清算所得中には、合併の場合に合併法人が納付する被合併法人の清算所得に対する法人税額、その法人税額に係る道府県民税額及び市町村民税額並びに清算所得に対する事業税額に相当する金額を含む趣旨を定めたものと解すべきである。
事件番号: 昭和33(オ)691 / 裁判年月日: 昭和36年7月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】更正決定の理由附記欠如は当然無効事由ではなく、取消事由に過ぎない。また、更正決定の取消しを前提とする過納金還付請求訴訟において、当該決定が不可争力を生じている場合、裁判所はその当然無効といえる事情がない限り、公定力に基づき当該決定を有効なものとして取り扱わなければならない。 第1 事案の概要:上告…