判旨
公売において入札を放棄して他者に無競争で落札させ、その代償として金員を受け取る談合の約定は、公売制度の基本精神に反し、民法90条により無効である。
問題の所在(論点)
公売において特定の者が落札できるよう入札を辞退し、その対価を受け取るという「談合入札の約定」が、民法90条の公序良俗に反して無効となるか。
規範
公売制度の適正な運用と公正な競争を阻害する行為は、公序良俗に反するものとして無効となる(民法90条)。具体的には、入札の公正を害し、特定の者に不当な利益を得させる目的でなされた入札談合の約定は、公売制度の基本精神に反し、公序良俗に反して許されない。
重要事実
上告人と被上告人は、公売において上告人が入札を放棄することで、被上告人を無競争で落札させる合意をした。さらに、その入札放棄の代償として、被上告人が上告人に対して60万円を支払うことを約定した。上告人は、この約定が自己の債権回収に資するものであり適法であると主張して、代償金の支払を求めた。
あてはめ
本件約定は、上告人が入札を放棄して被上告人を無競争で落札させるというものであり、公売における公正な価格形成を妨げ、特定の者に不当な利益をもたらすものである。上告人は、当該約定が債権回収に利益であり双方にメリットがある旨主張するが、そのような私的な事情をもってしても、談合によって公売制度の基本精神を蹂躙した事実を正当化することはできない。したがって、本件約定は社会妥当性を欠くものといえる。
結論
本件約定は公売制度の基本精神に反し、民法90条により無効である。よって、当該約定に基づく支払請求は認められない。
実務上の射程
公売・競売・入札制度全般における談合の効力について、民法90条適用の典型例として機能する。当事者間での利益調整の側面があったとしても、制度の公共的な性質を害する合意は一律に無効とされる可能性が高いことを示している。
事件番号: 昭和38(オ)531 / 裁判年月日: 昭和41年3月1日 / 結論: 棄却
一 債務引受は、特段の事情のないかぎり、重畳的債務引受と解すべきである。 二 売買契約の目的物である自動車が関税免脱車であると主張しただけでは、右契約が公序良俗に違反する旨の主張をしたものと解することはできない。