判旨
事実認定の適法性と、口頭弁論調書の形式的記載事項の不備(署名・押印、出欠状況)が上告理由となるかについて、原審の認定及び手続に瑕疵はないとした判例である。
問題の所在(論点)
口頭弁論調書の記載不備(署名押印や出欠の記載)および証拠に基づく事実認定の適法性が、上告理由となるか。
規範
口頭弁論調書の作成手続において、裁判所書記官の署名下に押印があり、かつ当事者の不出頭等の状況が調書の記載全体から明らかな場合には、手続上の違法は認められない。また、証拠に基づく事実認定が論理的に可能である限り、上告審がこれを覆すことはできない。
重要事実
上告人は、原審における口頭弁論調書に被控訴代理人の不出頭の記載がないこと、書記官の署名下に押印がないこと、および譲渡代金を20万円とした事実認定に誤りがあることを主張して上告した。しかし、実際の調書には「呼出しの為」との記載があり、前後関係から不出頭は明白であったほか、書記官の押印も存在していた。
あてはめ
まず、調書の記載について、記載全体を照らし合わせれば代理人が不出頭であった事実は客観的に明らかである。次に、書記官の署名下には適切に押印がなされており、形式的要件を欠くとはいえない。事実認定についても、原審が挙げた証拠から譲渡代金を20万円と認定することは論理的に可能であり、適法な事実認定の範囲内にあると評価される。
結論
上告人の主張はいずれも前提を欠くか、適法な事実認定を争うものにすぎないため、本件上告を棄却する。
実務上の射程
判決文が極めて簡潔であり、本件特有の事実関係に依存する。民事訴訟法上の事実認定の限界や調書の形式的真正が争われる際、上告理由の適格性を否定する事例判断として参照されるにとどまる。
事件番号: 昭和30(オ)883 / 裁判年月日: 昭和32年6月25日 / 結論: 棄却
一 証人尋問の申出をした当事者が費用を予納しなかつた場合に、相手方が予納したときは、裁判所は右証人尋問の手続を採り得る。 二 証人尋問の申出は、その尋問が終了した後は撤回することを得ない。
事件番号: 昭和25(オ)375 / 裁判年月日: 昭和26年2月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】口頭弁論調書の記載が不正確であるとの主張に対し、記録上そのような瑕疵が認められない場合には、上告理由としての適法性を欠く。また、民事上告事件の特例法に定める重要な主張を含まない論旨については、調査を要しない。 第1 事案の概要:上告人は、原審の口頭弁論調書において期日の記載に齟齬があり、出頭者の資…