一 証人尋問の申出をした当事者が費用を予納しなかつた場合に、相手方が予納したときは、裁判所は右証人尋問の手続を採り得る。 二 証人尋問の申出は、その尋問が終了した後は撤回することを得ない。
一 証人尋問の申出をした当事者が費用を予納しなかつた場合と相手方の予納。 二 証人尋問の申出は尋問終了後に撤回し得るか。
民訴法106条,民訴法275条
判旨
証人訊問の費用を申請当事者が予納しない場合でも、相手方が予納したときは、裁判所は当該証人訊問の手続を採ることができる。また、証人訊問が終了した後は、その申請を撤回することはできない。
問題の所在(論点)
証人訊問の申請者が費用を予納しない場合に相手方の予納により訊問を実施できるか、および実施・終了後の証拠申請の撤回が認められるか。
規範
1. 証人訊問の申請をした当事者がその費用を予納しない場合であっても、相手方がこれを予納したときは、裁判所は当該証人訊問の手続を採り得る。2. 証人訊問が実施され終了した後は、証拠調べの申請を撤回することはできない。
重要事実
上告人が証人訊問の申請をしたが、その費用を予納しなかった。これに対し、相手方当事者が当該費用を予納したため、裁判所は証人訊問を実施した。上告人は当該期日に呼出しを受けながら不出頭であったが、訊問は行われた。上告人は、証人訊問が終了した後に、当該証人訊問の申請を撤回すると主張した。
あてはめ
まず、証拠調べの費用予納は手続進行のための要件であり、相手方が代わって予納することで手続上の障害は解消されるため、裁判所が訊問を実施することに違法はない。また、上告人が不出頭であっても適法な呼出しがある以上訊問は可能である。次に、証人訊問が終了した段階では、すでに当該証拠が裁判所の心証形成に供されており、証拠調べの結果は当事者双方に共通して利用される(証拠共通の原則)べきものであるから、申請者の一存でその効力を否定するような撤回は許されない。
結論
相手方の費用予納による証人訊問の実施は適法であり、訊問終了後の申請撤回は認められない。
実務上の射程
民事訴訟法における証拠調べ手続の規律を示す。特に、証人訊問終了後の申請撤回を否定した点は、証拠共通の原則を前提とした実務上の定石を確認するものである。答案上は、証拠調べ実施後の申請撤回の可否が問題となる場面で、本判例を根拠に否定的に論じる際に用いる。
事件番号: 昭和28(オ)515 / 裁判年月日: 昭和35年5月24日 / 結論: 棄却
国が当事者となり売買等の契約を競争入札の方法によつて締結する場合に、落札者があつたときは、国および落札者は、互に相手方に対し契約を結ぶ義務を負うにいたるが、この段階では予約が成立するにとどまり、本契約は、契約書の作成によりはじめて成立すると解すべきである。
事件番号: 昭和33(オ)316 / 裁判年月日: 昭和35年2月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実認定の適法性と、口頭弁論調書の形式的記載事項の不備(署名・押印、出欠状況)が上告理由となるかについて、原審の認定及び手続に瑕疵はないとした判例である。 第1 事案の概要:上告人は、原審における口頭弁論調書に被控訴代理人の不出頭の記載がないこと、書記官の署名下に押印がないこと、および譲渡代金を2…