判旨
適式な期日変更申請がなされた形跡がない場合には、裁判所が期日を変更せずに弁論を終結し、控訴を棄却したとしても、手続上の違法は認められない。
問題の所在(論点)
当事者が適式な期日変更申請を行ったと主張するものの、記録上その事実が認められない場合に、裁判所が期日を変更せず弁論を終結させた手続に違法があるか(民事訴訟法第93条、第312条関連)。
規範
民事訴訟法上の期日の指定および変更については、裁判所の裁量権に属する事由であり、適式な期日変更申請がなされていない場合に、指定された期日に弁論を実施し終結させることは、裁量権の逸脱または濫用には当たらない。
重要事実
上告人の控訴審において、上告人の代理人が適式な期日変更申請を行ったと主張したが、裁判所はこれを許さずに弁論を終結させ、上告人の控訴を棄却した。上告人はこの手続を違法として上告を申し立てたが、記録上、適式な期日変更申請がなされた事実は確認できなかった。
あてはめ
記録を精査しても、上告人が主張するような適式な期日変更申請がなされた事跡は見出されない。したがって、裁判所が期日を変更せずに手続を進め、弁論を終結させた判断は、前提となる申請自体が存在しない以上、不当な拒絶とはいえず、適法であると解される。
結論
原審が期日変更申請を許さずに弁論を終結し、控訴を棄却した手続に違法はなく、上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
本判決は、期日変更申請の有無という事実認定の問題に帰結しているが、答案作成上は「期日の変更は裁判所の合理的な裁量に委ねられていること」および「適式な申請がない限り裁判所の不作為が違法となることはないこと」を確認する際に引用できる。実務的には申請の方式(民事訴訟規則)を遵守することの重要性を示唆している。
事件番号: 昭和35(オ)1432 / 裁判年月日: 昭和36年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の再開は裁判所の裁量に委ねられた事項であり、当事者に再開を請求する権利は認められないため、裁判所が弁論再開申請に応じず判決を言い渡しても違法ではない。 第1 事案の概要:控訴審において弁論が終結した後、控訴代理人が弁論再開の申請を行った。しかし、原審(控訴審裁判所)はこの申請に応じることなく、…