判旨
第一審における訴訟代理人の権限は、特段の事情がない限り、同一の事件について上訴審における代理権をも含むものと解される。
問題の所在(論点)
第一審で選任された訴訟代理人が、上訴審(控訴審)においても当然に代理権を有するか、すなわち訴訟代理権の継続性が問題となる。
規範
訴訟代理人の代理権の範囲については、民事訴訟法上の規定に基づき、当該訴訟委任の目的たる事件の終結に至るまでの全プロセスに及ぶものと解される。特に、第一審で提出された訴訟代理委任状により授与された権限は、後続の控訴審等においても、同一の紛争解決を目的とする限り、特段の反対の意思表示がない限り継続する。
重要事実
上告人は、原審(控訴審)において被上告人を代理した弁護士に代理権がなかった旨を主張して上告した。しかし、記録上、当該弁護士に対しては第一審段階で訴訟代理委任状が提出されており、第一審から引き続き控訴審においても代理人として活動していた事由があった。
あてはめ
本件において、被上告人を代理した石井弁護士については、第一審の時点で訴訟代理委任状が提出されていることが明らかである。この委任状に基づく代理権は、当該事件の控訴審においても有効に継続していると判断される。したがって、原審における代理権を否定する上告人の主張は、客観的な証拠関係に反しており、採用できない。
結論
第一審の訴訟代理委任状により代理権の存在が明白である以上、原審における代理権は適法に存在し、代理権欠缺の違法はない。
実務上の射程
訴訟代理権の存否という訴訟要件に関する判断であり、第一審の委任状が控訴審での代理権を証明する証拠となり得ることを示している。実務上は、委任事務の範囲について疑義が生じた際、第一審の委任状の記載内容や提出事実を確認することで、上訴審での適法性を基礎付ける根拠として用いることができる。
事件番号: 昭和43(オ)1309 / 裁判年月日: 昭和45年3月17日 / 結論: 棄却
建物収去土地明渡の判決においては、土地の地積および建物の床面積を、計量法所定の計量単位によらないで、尺貫法による計量単位によつて表示しても違法ではない。
事件番号: 昭和34(オ)1162 / 裁判年月日: 昭和37年3月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産の買受人が、当該不動産の賃貸借契約における賃貸人の地位を承継するためには、譲受人と譲渡人との間で賃貸人たる地位の譲受契約を締結することが必要であり、その代理権の授与も認められる必要がある。 第1 事案の概要:上告人(買受人)は、補助参加人(譲渡人)から本件土地を買い受けるに際し、訴外Dを代理…
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【結論(判旨の要点)】独立当事者参加訴訟(民訴法47条)において、原告、被告、参加人の三当事者間で権利関係を合一に確定する必要がある場合、原告が参加人の請求を認諾したとしても、被告がこれを争っている限り、その認諾は効力を生じない。 第1 事案の概要:原告Bが被告に対して訴えを提起し、さらに参加人が民事訴訟法71条(現4…
事件番号: 昭和32(オ)659 / 裁判年月日: 昭和33年5月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】権利の行使が権利の濫用に該当するか否かは、確定された事実関係に基づき、客観的・総合的な諸事情を照らして判断される。本件においては、原審の認定した事実の範囲内では権利の濫用とは認められないと判断された。 第1 事案の概要:上告人らは、被上告人による本訴請求が権利の濫用にあたると主張して争った。原審は…
事件番号: 昭和30(オ)303 / 裁判年月日: 昭和31年3月30日 / 結論: 棄却
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