判旨
地方税法に基づき、共有物に係る地租や家屋税の納税義務は共有者が連帯して負担するため、共有者の一人に対して全額の賦課徴収をすることは適法である。また、国税徴収法による滞納処分には、特段の規定がない限り、民事訴訟法中の強制執行に関する規定は準用されない。
問題の所在(論点)
1. 共有物に対する地方税を共有者の一人に対して全額賦課徴収することの可否。 2. 行政上の滞納処分において、民事訴訟法の強制執行に関する規定が準用されるか。
規範
1. 共有物に係る地方税(地租、家屋税等)の納税義務について、共有者はその全額について連帯して負担する(当時の地方税法31条)。 2. 国税徴収法に基づく滞納処分は自力執行権に基づく行政処分であり、民事訴訟法における強制執行に関する規定が当然に適用または準用されるものではない。
重要事実
上告人は、他の共有者(DおよびE)と共有する土地・建物について、地方自治体から地租および家屋税の全額を賦課され、滞納処分を受けた。また、昭和23年度分りんご税の滞納を理由に、不動産、動産、および農業協同組合に対する債権が差し押さえられた。上告人は、①共有者の一人に対する全額賦課の違法性、②不動産と動産等の重複差押えによる二重徴収の違法性、③滞納処分への民事訴訟法(強制執行規定)の準用、等を主張して処分の取消しや賠償を求めた。
あてはめ
1. 共有物に係る税負担について:改正後の地方税法31条によれば、共有物に関する税は共有者が連帯して負担するものとされている。したがって、共有者の一人である上告人に対し、当該土地建物の地租・家屋税の全額を賦課・徴収したとしても、何ら違法ではない。 2. 重複差押えについて:事実認定によれば、不動産の換価のみでは全滞納額を満足させるに足りないとの判断に基づき債権・動産の差押えが行われており、二重徴収を目的としたものではないため、違法とはいえない。 3. 民訴法の準用について:行政事件訴訟に民事訴訟法が適用されるからといって、国税徴収法に基づく滞納処分(自力執行)に対して、司法上の強制執行を定めた民事訴訟法の規定が準用される余地はない。
結論
1. 共有者の一人に対する全額の税賦課は適法である。 2. 滞納処分に民事訴訟法の強制執行規定は準用されず、一連の処分に違法はない。
実務上の射程
共有物の連帯納税義務の根拠として実務上参照される。また、滞納処分が司法上の強制執行とは異なる独自の行政手続であることを示しており、手続的瑕疵を主張する際に民訴法の規定を安易に援用できないとする射程を持つ。
事件番号: 昭和35(オ)992 / 裁判年月日: 昭和38年3月12日 / 結論: 棄却
地方税の賦課徴収権は地方自治法第二四三条の二第一項にいう財産にあたらない。
事件番号: 平成15(行ツ)202 / 裁判年月日: 平成18年3月28日 / 結論: 棄却
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