判旨
判決言渡期日に出頭した当事者が延期告知後に退廷した場合であっても、指定された新期日の告知の効力は当該当事者に及ぶ。また、弁論の公開の有無は、口頭弁論の方式に関する事項として調書によってのみ証明される。
問題の所在(論点)
1. 判決言渡期日に出頭した当事者が延期告知を受けて退廷した後に指定された新期日の告知の効力が、当該当事者に及ぶか。2. 弁論が公開されたか否かを調書以外の証拠によって争うことができるか。
規範
1. 判決言渡期日において、適法な呼出しを受けた当事者が出頭しなかった場合や、出頭後に次回の期日指定告知を受けて退廷した場合には、その新期日の告知の効力は不出頭の当事者に対しても生ずる。2. 弁論が公開されたか否かは、口頭弁論の方式に関する事項であり、調書の記載によってのみ証明される(民事訴訟法160条2項・3項参照)。
重要事実
上告人は、昭和31年3月27日の判決言渡期日に出頭したが、言渡延期の告知を受けただけで退廷した。その後、裁判所は同年4月17日の期日を指定告知した。4月17日の口頭弁論調書には、弁論を公開した旨の記載があった。同年5月8日には期日は開かれず、口頭弁論再開の決定がなされた。上告人は、新期日の告知が無効であることや、弁論が公開されなかった旨を主張して上告した。
あてはめ
1. 上告人は3月27日の期日に出頭しており、その場で言渡延期の告知を受けている。その後の4月17日の期日指定についても、適法な呼出しを受けた当事者が期日に出頭しなかった場合と同様に、告知の効力は上告人に及んでいると解される。2. 4月17日の口頭弁論調書には「弁論を公開した」旨の記載がある。弁論の公開は方式に関する事項であり、調書の記載に絶対的な証明力があるため、これに反する事実を認めることはできない。
結論
新期日の告知は適法であり、調書の記載により弁論の公開も認められるため、上告人の主張には理由がなく、本件上告は棄却される。
事件番号: 昭和32(オ)1129 / 裁判年月日: 昭和35年7月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産の処分防止という主観的な意図があったとしても、登記原因となる合意という実体関係が欠如する以上、抵当権設定登記等は無効である。また、単純・無条件の贈与に基づき所有権保存登記がなされた場合は「履行の終わった」贈与に当たり、もはや撤回できない。 第1 事案の概要:上告人は、被上告人に対し本件不動産…
実務上の射程
期日指定の告知の効力および口頭弁論調書の証明力(民事訴訟法160条)に関する基本判例である。特に、調書の記載が「方式に関する規定の遵守」を証明する唯一の資料である点(160条3項)は、手続違背を主張する際の反論として極めて強力な射程を有する。
事件番号: 昭和44(オ)885 / 裁判年月日: 昭和45年1月30日 / 結論: 棄却
民訴法一三八条は控訴審にも適用がある。
事件番号: 昭和38(オ)295 / 裁判年月日: 昭和39年10月27日 / 結論: 棄却
代理人が本人のためにする意思をもつて買受契約を締結する当時は、本人のためにすることを明示しなかつたが、後に代金を支払うときには、買主が本人であることを明らかにする等判示のような事情があるときは、「本人ノ為メニスルコト」を表示して契約をしたものと解するのが相当である。
事件番号: 昭和39(オ)255 / 裁判年月日: 昭和41年12月6日 / 結論: 棄却
代物弁済の予約が成立するためには、代物弁済によつて消滅すべき債権の数額が当初より一定していることを要しないが、少くとも一定しうべき基礎が定められていることを要する。
事件番号: 昭和36(オ)463 / 裁判年月日: 昭和38年7月9日 / 結論: 棄却
唯一の証拠方法であつても、それによつて立証しようとする事実の主張がなされていない以上、これを採用しなくても違法でない。