判旨
判決言渡期日に出頭した当事者に対し、延期後の新期日を告知した場合には、その場にいなかった不出頭の当事者に対しても告知の効力が生じる。
問題の所在(論点)
民事訴訟法における判決言渡期日の告知に関し、期日に出頭した当事者に対してなされた期日延期の告知の効力が、不出頭の当事者に対しても及ぶか。また、これに基づくなされた判決言渡しは適法か。
規範
判決言渡期日の指定及び告知が適法になされた場合、その期日に出頭した当事者に対して延期後の新期日が指定告知されれば、当該告知の効力は、その場に出頭していなかった他の当事者に対しても及ぶものと解する。
重要事実
控訴審において、昭和32年2月1日の口頭弁論に出頭した被控訴人(上告人)代理人に対し、裁判所は判決言渡期日を同年2月15日と指定告知した。その後、同日の言渡期日において、判決言渡しを同年3月4日に、さらに同日において同年3月11日に順次延期する旨が、その場に出頭していた当事者に対して指定告知された。最終的に3月11日に判決が言い渡されたが、不出頭であった当事者側から、新期日の告知を受けていないとして判決手続の違法が主張された。
あてはめ
本件では、当初の判決言渡期日が口頭弁論に出頭した代理人に対して適法に告知されている。その後、2月15日および3月4日の各期日において、順次判決言渡期日の延期が指定告知された。この場合、延期された新期日の告知は、当初の期日告知の延長線上にあり、適法な期日指定の効力が継続しているといえる。したがって、たとえ特定の当事者が延期後の各期日に不出頭であったとしても、出頭した当事者に対してなされた告知をもって、不出頭の当事者に対しても告知があったものとみなされる。これにより、3月11日の判決言渡しは、全ての当事者に対して適法な告知を経たものと評価できる。
結論
判決言渡期日の延期が、出頭した当事者に告知された以上、不出頭の当事者に対しても告知の効力は生じるため、本件判決の言渡しに違法はない。
事件番号: 昭和32(オ)705 / 裁判年月日: 昭和34年2月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】期間を定めずに催告をした場合であっても、債務者が履行遅滞に陥っているときは、催告の時から相当の期間を経過すれば、解除権を行使し得る。 第1 事案の概要:上告人(賃借人)は、昭和27年度分の賃料の支払を怠っていた。被上告人(賃貸人)は、本件訴訟の訴状の送達をもって、契約解除の前提となる催告を行った。…
実務上の射程
判決言渡期日の指定・変更に関する手続的要件の緩和を示す射程を持つ。司法試験においては、民事訴訟法上の期日指定の適法性や判決の効力発生要件が問われる際、不出頭当事者への手続保障の限界を論じる文脈で活用できる。
事件番号: 昭和30(オ)344 / 裁判年月日: 昭和32年6月27日 / 結論: その他
登記と引換に支払うべき代金債務につき、期間を定めて履行の催告があつた場合に、債務者において催告期間の末日に代金を持参して登記所に出頭したときは、適法な弁済の提供をしたものと認むべきであつて、その提供に先だちあらかじめその日時を債権者に通知することは必要ではない。
事件番号: 昭和32(オ)550 / 裁判年月日: 昭和34年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】数回にわたる延滞賃料の支払催告の事実と、その間における賃料値上げの協定の事実は、経験則上矛盾するものではなく、両立し得る。また、弁論終結後の弁論再開申請は、裁判所が必ずしもこれに応じる義務を負うものではない。 第1 事案の概要:賃貸人(被上告人)が、賃借人(上告人)に対し、賃料の支払を数回にわたっ…
事件番号: 昭和32(オ)189 / 裁判年月日: 昭和35年12月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者が主張した損害賠償請求の範囲が特定の費目に限定されている場合、それとは別の損害(賃料相当損害等)を別個の請求として明確に主張した形跡がない限り、裁判所が当該損害について判断しなくても判断遺脱の違法はなく、釈明義務も負わない。 第1 事案の概要:上告人(原告)は、競落した宅地および家屋を転売で…
事件番号: 昭和32(オ)366 / 裁判年月日: 昭和34年6月25日 / 結論: 棄却
家屋の所有者がその占有する権原のない場合に、右所有者を代表者とする会社がその家屋の全部を借受けて占有しているときは、右会社は、敷地の所有者に対し、敷地の不法占有による損害賠償責任を負う。