判旨
土地上の立木を買い受けたとする第三者が土地共有持分権を争っている場合、土地共有持分権の確認を求める訴えには確認の利益が認められる。
問題の所在(論点)
被告が土地上の立木の買い受けを根拠に土地共有持分権を否定している場合、当該共有持分権の確認を求める訴えについて、民事訴訟法上の「確認の利益」が認められるか。
規範
確認の利益が認められるためには、原告の権利または法的地位に現存する不安・危険が存在し、これを除去するために確認判決を得ることが有効かつ適切である必要がある。特に、被告が原告の権利を否定し、その権利と抵触する権利を主張している場合には、原則として確認の利益が認められる。
重要事実
被上告人(原告)は、本件土地の共有持分権を有している。これに対し、上告人A1(被告)は、本件土地上の立木を上告人A2より買い受けたとして、被上告人の本件土地の共有持分権を争っていた。そのため、被上告人はA1に対し、共有持分権の確認を求めて提訴した。
あてはめ
本件では、上告人A1が立木の買受を主張の根拠としつつ、被上告人の本件土地に関する共有持分権を明確に争っている事実が認められる。このように、原告の正当な権利行使が第三者によって否定され、法的地位が脅かされている状況においては、判決によってその権利関係を確定させる必要性が高い。したがって、被上告人がA1に対して提起した本件確認の訴えには、紛争解決のための有効かつ適切な手段として確認の利益が優に認められると解される。
結論
被上告人の共有持分権を争う被告に対する確認の訴えには、確認の利益が認められる。
実務上の射程
本判決は、土地の権利関係をめぐる紛争において、対立する当事者が権利を否定している事実があれば、直ちに確認の利益を肯定する実務上の運用を追認したものである。答案上は、確認の訴えの適法性を論じる際、被告による権利の否認事実を「不安・危険」の具体的事実として指摘し、本判例を背景として確認の利益を肯定する流れで活用すべきである。
事件番号: 昭和32(オ)325 / 裁判年月日: 昭和35年3月1日 / 結論: 棄却
地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
事件番号: 昭和35(オ)972 / 裁判年月日: 昭和37年10月26日 / 結論: 棄却
係争物件につき共有権を主張する者に対して、第三者が自己の単独所有権の確認を求める訴は、いわゆる必要的共同訴訟に属しない。
事件番号: 昭和32(オ)323 / 裁判年月日: 昭和35年3月17日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】追奪を免れるために名義を第三者に仮託する目的でなされた売買が、通謀虚偽表示に当たらない真実の売買と認められるためには、代金額、支払時期、登記手続の態様、費用の負担等の諸事情が経験則に照らして合理的であることを要する。 第1 事案の概要:上告人の父Fは、Dから山林を買い受けたが、Dの家督相続を巡る紛…