係争物件につき共有権を主張する者に対して、第三者が自己の単独所有権の確認を求める訴は、いわゆる必要的共同訴訟に属しない。
必要的共同訴訟にあたらないとされた事例。
民訴法62条
判旨
第三者が共有主張者らに対して単独所有権の確認を求める訴えは、各被告に対して独立した請求であり、固有必要的共同訴訟には当たらない。
問題の所在(論点)
第三者が、共有を主張する複数の者に対して単独所有権の確認を求める訴えを提起する場合、当該訴訟は民事訴訟法上の固有必要的共同訴訟に該当するか。
規範
訴訟の目的が共同訴訟人の全員につき合一にのみ確定すべき法律上の必要がある場合(固有必要的共同訴訟)に当たるかは、訴訟物の性質に照らして判断すべきである。第三者が単独所有権の確認を求める訴えにおいて、被告側が共有権を主張している場合であっても、その訴訟物は原告の「単独所有権」であって共有権そのものではないから、各被告に対する請求はそれぞれ独立しており、合一確定の必要はない。
重要事実
被上告人(原告)は、本件土地及び地上立木が自己の単独所有に属すると主張し、当該物件について共有権を主張する上告人(被告)らに対して所有権確認訴訟を提起した。これに対し、上告人らは、本件訴訟は共有者全員を被告としなければならない固有必要的共同訴訟であり、一部の者を被告とする本訴は不適法である旨の抗弁を提出した。
事件番号: 昭和35(オ)900 / 裁判年月日: 昭和37年8月3日 / 結論: 棄却
山林を買受け、未登記のままこれに檜等を植栽した者が、その後特に地上立木を除外することなくいわゆる二重売買を受け、所有権移転登記を経た者に対し、その植栽した立木の所有権を主張するためにはこれを公示する対抗要件を必要とする。
あてはめ
本件における訴訟物は、上告人らが主張する「共有権」ではなく、被上告人が主張する「単独所有権」の存否である。この場合、原告は各被告との間で個別に所有権の帰属を確定すれば足りる。したがって、共同訴訟人の全員に対して合一にのみ確定すべき法律上の必要性は認められず、被告の一部を欠いたとしても訴えの適法性に影響を及ぼさない。
結論
本件訴訟は必要的共同訴訟に属しない。したがって、上告人らの抗弁を排斥した原審の判断は正当である。
実務上の射程
所有権確認請求における固有必要的共同訴訟の成否に関する重要判例。被告側が共有を主張している場合でも、原告が自己の単独所有権を訴訟物とする限り、通常共同訴訟として扱われる。実務上、共有権を「確認する」訴え(共有者側からの提訴)と、共有を「否定する」訴え(第三者からの提訴)を区別して論じる際に必須の判例である。
事件番号: 昭和34(オ)1125 / 裁判年月日: 昭和35年10月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】確認の利益は、相手方が権利を争うことにより原告に不利益が生ずるおそれの現存する以上認められ、相手方が自ら権利者であると主張する場合に限られない。 第1 事案の概要:被上告人(原告)は、本件山林の所有権を有していたが、上告人(被告)が当該所有権を争い、かつ過失により右山林を他人の所有物と誤認して伐採…
事件番号: 昭和32(オ)325 / 裁判年月日: 昭和35年3月1日 / 結論: 棄却
地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
事件番号: 昭和34(オ)212 / 裁判年月日: 昭和36年3月16日 / 結論: 棄却
所有権確認訴訟の係属中、訴訟の目的たる権利を原告から譲り受けたことを主張して訴訟参加をした者が、第二審で勝訴し、被告が参加人を相手方として上告の申立をしたときは、原告のためにもその効力を生じ、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。
事件番号: 昭和41(オ)364 / 裁判年月日: 昭和46年3月30日 / 結論: 破棄差戻
一定範囲の山林の時効取得を認めるにあたり、甲地所有者が係争地に杉苗を植えその育成に努めて来たと認定し、他方、その後乙地所有者が係争地の植え残された一部に杉苗を植え、刈払をし、係争地内から桑葉を採取したと認定しながら、特段の理由を示さず、甲地所有者が係争地の占有を継続したと判断したときは、理由不備の違法がある。