所有権確認訴訟の係属中、訴訟の目的たる権利を原告から譲り受けたことを主張して訴訟参加をした者が、第二審で勝訴し、被告が参加人を相手方として上告の申立をしたときは、原告のためにもその効力を生じ、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。
第一審被告が参加人を相手方として上告を申し立てた場合における第一審原告の地位。
民訴法62条,民訴法71条,民訴法73条
判旨
必要的共同訴訟の性質を有する訴訟において、上告人が共同被告の一部に対してのみ上告を申し立てた場合でも、その効力は他の共同被告にも及び、当該被告は被上告人としての地位を取得する。
問題の所在(論点)
必要的共同訴訟において、一部の共同訴訟人に対してのみ上告がなされた場合、その上告の効力は他の共同訴訟人に及ぶか。また、その場合の他の共同訴訟人の地位は如何なるものか。
規範
民事訴訟法40条(旧62条)の規定が準用される必要的共同訴訟(独立当事者参加訴訟等を含む)においては、合一確定の要請から、共同訴訟人の一人に対する上告の申立ては、他の共同訴訟人のためにもその効力を生じ、当該訴訟人は被上告人たる地位を取得する。
重要事実
上告人が相手方B1に対して上告の申立てを行った事案において、本件訴訟は旧民事訴訟法73条、71条(現行法47条、42条に相当する独立当事者参加関連規定)により、同法62条(現行法40条に相当する必要的共同訴訟の規定)が準用される場面であった。この状況下で、上告の対象から外れていた共同被告B2の法的地位が問題となった。
事件番号: 昭和30(オ)992 / 裁判年月日: 昭和32年10月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】損害賠償請求において、損害の数額の立証責任は請求者にあり、裁判所は提出された証拠に基づき立証の有無を判定すれば足り、釈明権を行使して立証を促す職責までは負わない。 第1 事案の概要:上告人(被控訴人)が損害賠償を請求した事案において、原審は上告人が提出した証拠のみでは本件損害の数額の立証がなされて…
あてはめ
本件は、必要的共同訴訟の規律が準用される独立当事者参加等に関連する訴訟である。このような訴訟形態では、当事者間での裁判の矛盾を避けるべく合一確定が要求される。したがって、上告人がB1のみを相手方として上告を申し立てたとしても、旧法62条2項(現行法40条2項)の趣旨に鑑み、その上告の効力は当然に共同被告B2にも波及すると評価される。その結果、B2は特段の手続を経ることなく、当然に被上告人としての地位を承継・取得するものと解される。
結論
上告人の相手方B1に対する上告の申立ては、共同被告B2のためにも効力を生じ、B2は被上告人たる地位を取得する。
実務上の射程
必要的共同訴訟(固有・類似問わず)や独立当事者参加訴訟において、一部の当事者に対する不服申立てが全員に及ぶとする「上告不可分の原則」を確認する判例である。答案上は、控訴や上告の効力が及ぶ範囲を確定する際の根拠として活用する。
事件番号: 昭和35(オ)972 / 裁判年月日: 昭和37年10月26日 / 結論: 棄却
係争物件につき共有権を主張する者に対して、第三者が自己の単独所有権の確認を求める訴は、いわゆる必要的共同訴訟に属しない。
事件番号: 昭和30(オ)880 / 裁判年月日: 昭和32年7月30日 / 結論: 破棄差戻
所有権の帰属に争があるにとどまらず、その範囲についても争がないとはいえない土地の所有権確認判決において、主文と引用の目録、図面および判決理由とを対照しても、被上告人の所有に属する旨確定された土地の範囲が現地のいかなる地域に当るかが特定できないときは、主文不明確の違法を免れない。
事件番号: 昭和34(オ)112 / 裁判年月日: 昭和35年12月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】入会権の内容および制限の有無は、当該入会地の沿革、地形、地勢、および長年の慣行に基づき、各事案における証拠関係を総合して個別的に判断されるべきである。 第1 事案の概要:上告人ら(部落)は、本件係争地が自村の所有する山であり、永年にわたり入会ってきた歴史があることから、その入会権の内容には制限がな…