判旨
口頭弁論期日において請求の趣旨を減縮する旨の申立てがなされた場合、裁判所がその減縮された範囲内で給付を命じることは適法である。
問題の所在(論点)
口頭弁論期日における請求の趣旨の減縮(訴えの一部取り下げ等)がなされた場合、裁判所がその減縮された範囲で判決を下すことが、処分権主義等の手続法上の規定に照らして適法か。
規範
処分権主義(民訴法246条)に基づき、裁判所は当事者が申し立てた事項の範囲内でのみ審理判決を行う。訴えの減縮が適法になされた場合、審判対象はその減縮後の請求範囲に限定される。
重要事実
被上告人は、原審(昭和32年8月15日)の口頭弁論期日において、当初の請求のうち金銭給付の点について請求の趣旨を減縮した。原審は、この減縮後の内容に基づき、事実認定を行った上で上告人に対し金員の支払を命じた。
あてはめ
被上告人が口頭弁論期日において請求を減縮したことは記録上明白である。裁判所は、当事者が自ら限定した請求の範囲(減縮後の請求)に従って事実を認定し、給付を命じている。このような判断過程に、申立ての範囲を逸脱した等の違法は認められない。
結論
請求の趣旨の減縮後の範囲内で金銭の支払を命じた原判決は、適法である。
実務上の射程
訴えの減縮があった場合に、裁判所が減縮後の範囲で判決を下すべきことを確認した事例である。処分権主義に関する極めて基本的な判断であり、答案上は246条違反の有無を検討する際の当然の前提として扱う。
事件番号: 昭和42(オ)343 / 裁判年月日: 昭和42年8月1日 / 結論: 棄却
控訴審において請求の一部が減縮された場合に、残余の部分につき第一審判決を変更する理由がないときは、控訴棄却の判決をすれば足りるものと解すべきである。