下宿業の用に供する建物は、地代家賃統制令第二三条第二項第七号の建物に該当する。
下宿業用建物は地代家賃統制令第二三条第二項第七号の建物に該当するか
地代家賃統制令23条2項
判旨
控訴審において請求が減縮された場合、当該部分は初めから係属しなかったものとみなされ、一審判決のうち減縮部分は失効する。残余の部分について一審判決を維持すべきときは、主文で控訴棄却を言い渡すべきである。
問題の所在(論点)
控訴審において請求が減縮された場合、第一審判決の効力はどうなるか。また、減縮後の残余の請求を認容する際、主文として「第一審判決の変更」と「控訴棄却」のいずれを採るべきか。
規範
控訴審で請求が減縮された場合、減縮された部分については初めから訴訟係属がなかったものとみなされる。これに伴い、当該部分に対する第一審判決は当然にその効力を失う。そのため、控訴審の審判対象は減縮後の残余の部分に限定され、当該部分について第一審判決を変更すべき理由がない場合には、主文において控訴を棄却すべきである。
重要事実
賃借人(上告人)が家屋を賃借し、下宿業(賄付宿泊)を営んでいた事案において、地代家賃統制令の適用除外(旅館に類するもの)に該当するか等が争われた。第一審判決の後、控訴審において請求の減縮が行われた。原審(控訴審)は、減縮後の請求について第一審判決を維持すべきものと判断し、主文で控訴棄却の判決を言い渡した。これに対し上告人は、手続上の不備等を理由に上告した。
あてはめ
請求の減縮は訴えの一部取下げの性質を有するため、減縮部分は遡及的に係属を失う。これにより、第一審判決のうち減縮に対応する部分は自動的に失効し、控訴審の判断対象からは外れる。本件において、原審が残余の部分について第一審判決の判断を正当と認めた以上、第一審判決を書き直す(変更する)必要はなく、そのまま維持する趣旨で控訴を棄却した判断は、訴訟手続上正当であるといえる。
結論
控訴審での請求減縮により、一審判決の当該部分は当然に失効する。残余の部分につき一審判決を維持する場合は、控訴棄却の判決をなすべきである。
実務上の射程
訴えの変更(減縮)があった場合の主文の書き方に関する実務指針である。答案作成上は、一部取下げによる遡及的消滅の法理と、残部について一審を支持する場合に「控訴棄却」を用いる判決主文の整合性を説明する際に引用する。なお、本件は地代家賃統制令の解釈も含むが、現代の司法試験では民事訴訟法上の「請求の減縮と控訴審の主文」の論点として重要である。
事件番号: 昭和24(オ)141 / 裁判年月日: 昭和24年11月8日 / 結論: 棄却
請求の一部につき控訴審において請求の減縮をしたときは、その部分については初めより係属しなかつたものと看做され、この部分に対する第一審の判決はおのずからその効力を失い、控訴は残余の部分に対するものとなるから、この部分につき第一審判決を変更する理由がないときは控訴棄却の判決をすべきである。