判旨
最高裁判所が上告を棄却した決定に対して異議の申立てをすることは、刑事訴訟法上に許容する規定が存在しないため、不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所による上告棄却決定に対し、不服申立ての一種として異議の申立てをすることが認められるか。刑事訴訟法上の規定の有無が問題となる。
規範
最高裁判所が刑訴法405条各号所定の事由に該当しないとして、同法414条、386条1項3号に基づき上告を棄却した決定に対しては、これを不服として異議を申し立てることを許す法規の規定が存在しない。したがって、かかる異議の申立ては不適法として棄却されるべきである。
重要事実
申立人は、最高裁判所が刑事訴訟法405条の事由がないと判断し、同法414条、386条1項3号によって上告を棄却した決定に対し、不服を申し立てた。
あてはめ
刑事訴訟法は、最高裁判所の上告棄却決定に対する異議の申立てを許容する明文の規定を置いていない。大法廷判例(昭和26年12月26日決定)の趣旨に照らせば、規定がない以上、法的に不可能な申立てといわざるを得ない。本件の棄却決定は法に則った正当な手続であり、これに対する独自の不服申立手段は法認されていない。
結論
本件申立ては不適法であるため、棄却する。
実務上の射程
最高裁判所の決定に対する不服申立の可否に関する準則。刑訴法428条2項が準用する419条等の解釈において、上告棄却決定そのものに対する異議申立てが法的に否定されていることを確認する際に引用される。
事件番号: 昭和28(す)23 / 裁判年月日: 昭和28年3月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が上告趣意書の不提出を理由としてした上告棄却決定に対し、異議の申立てを許す規定は存在しないため、かかる申立ては不適法である。 第1 事案の概要:上告人(被告人)は、最高裁判所に上告を申し立てた。しかし、被告人及び弁護人は、刑事訴訟法414条、376条、刑事訴訟規則等の規定に基づき定められ…
事件番号: 昭和25(す)257 / 裁判年月日: 昭和26年12月26日 / 結論: 棄却
本件は当裁判所第二小法廷がさきに、本件申立人がした上告の申立について、その上告趣意は刑訴四〇五条各号所定の事由に該当しないものとして、同四一四条、三八六条一項三号により右上告を棄却した決定に対し、別紙のごとき理由により異議を申立てるものであるが、右のごとき当裁判所の決定に対し、異議の申立を許す規定は存在しないのであるか…
事件番号: 昭和28(す)167 / 裁判年月日: 昭和28年5月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告棄却の決定をした場合、当該決定に対して異議の申立てをすることはできない。 第1 事案の概要:被告人Aが最高裁判所に上告を申し立てたが、最高裁判所は上告趣意が刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないと判断した。そのため、同法414条および386…
事件番号: 昭和50(す)82 / 裁判年月日: 昭和50年7月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して特別抗告をすることはできないが、決定内容に誤りがある場合に限り、刑訴法414条・386条2項により異議の申立てをすることができる。この制度は、判決の訂正(415条)と同趣旨の制度として、最高裁判所がその憲法上の地位に基づき創設したものと解される。 第1 事案の概要:…
事件番号: 昭和28(す)170 / 裁判年月日: 昭和28年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告を棄却した決定に対しては、異議の申立てをすることはできない。本判決は過去の大法廷決定を維持し、当該申立てを不適法として棄却した。 第1 事案の概要:被告人Aが提起した上告に対し、最高裁判所はその上告趣意が刑事訴訟法405条各号の事由に該当しな…