判旨
刑事訴訟法施行法第3条の2の規定が適用されない旧刑事訴訟法下の事件については、判決の訂正の申立ては許されない。
問題の所在(論点)
旧刑事訴訟法が適用される事件(刑事訴訟法施行法3条の2の規定が適用されないもの)について、最高裁判所の判決に対する訂正の申立てが許されるか。
規範
新刑事訴訟法に基づく判決訂正の申立てに関する規定(刑訴法415条等)は、刑事訴訟法施行法により適用範囲が限定されており、同法3条の2の規定による適用がない旧刑訴法事件においては、判決訂正の手続きを利用することはできない。
重要事実
申立人は、最高裁判所の判決に対し、判決内容の訂正を求めて申立てを行った。本件は旧刑事訴訟法が適用される事件であり、刑事訴訟法施行法3条の2(新法の判決訂正規定を一定の旧法事件に準用する規定)の適用対象外であった。
あてはめ
刑事訴訟法施行法は、新刑訴法の規定を旧法下の事件にどの程度適用するかを定めている。本件は同法3条の2が規定する「新法の判決訂正規定を適用すべき事件」に該当しない。したがって、旧法下で進行した本事件については、新法が創設した判決訂正という救済手段を用いる法的根拠が存在しない。
結論
本件判決訂正の申立ては不適法であり、棄却される。
実務上の射程
法改正に伴う経過措置の解釈に関する事例である。現在の刑事訴訟法下では415条に基づく訂正が認められるが、法の適用範囲(時効や経過規定)を検討する際の論理構成として、明文の根拠規定がない限り特殊な不服申立ては許されないという原則を示すものといえる。
事件番号: 昭和30(み)7 / 裁判年月日: 昭和30年4月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却判決に対し判決訂正の申立がなされたが、判決を訂正すべき事由が認められない場合には、刑訴法417条1項に基づき申立を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人は公務執行妨害、埼玉県条例違反、住居侵入、傷害等の罪に問われ、最高裁判所において上告棄却の判決を受けた。これに対し、被告…
事件番号: 昭和59(す)11 / 裁判年月日: 昭和59年2月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立は許されず、内容に誤りがあることを理由としない単なる本籍表示の訂正を求める異議の申立は、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対する住居侵入、建造物損壊被告事件につき、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し、弁護人が「判決訂正の申…
事件番号: 昭和27(す)502 / 裁判年月日: 昭和28年1月21日 / 結論: 棄却
たゞ被告人の住居の表示の訂正を求めるだけであつて、当裁判所の前示裁判の内容に誤のあることを理由とするものでないときは刑訴四一五条一項の用件を欠く。
事件番号: 昭和27(す)495 / 裁判年月日: 昭和28年1月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告は、最高裁判所以外の下級裁判所がした決定または命令を対象とするものであり、最高裁判所自らがした決定に対して同条による抗告をすることは許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が昭和27年11月25日に宣告した住居侵入、強盗殺人、強盗致傷被告事件の判決に対…
事件番号: 昭和28(す)223 / 裁判年月日: 昭和30年7月18日 / 結論: 棄却
最高裁判所が刑訴第四一四条、第三八六条第一項三号により上告棄却の決定をしたのち、三日の異義申立期間経過後に、弁護人から右決定前に被告人が死亡していたことを理由として公訴棄却の決定を求める旨の申立をしても、右申立は不適法として棄却する外はない。