決定に記載された自己の本籍の表示の訂正を求める異議の申立が不適法とされた事例
刑訴法415条
判旨
最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立は許されず、内容に誤りがあることを理由としない単なる本籍表示の訂正を求める異議の申立は、不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
最高裁判所による上告棄却決定に対し、判決訂正の申立をすることの可否、および単なる本籍表示の訂正を求める異議の申立の適法性が問題となった。
規範
最高裁判所がした上告棄却の決定に対しては、判決訂正の申立(刑事訴訟法415条参照)をすることは許されない。また、決定に対する異議の申立が認められるためには、裁判の内容に誤りがあることを理由とする必要がある。
重要事実
被告人に対する住居侵入、建造物損壊被告事件につき、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し、弁護人が「判決訂正の申立」という標題の書面を提出し、被告人の本籍の表示を訂正することを求めた事案である。
あてはめ
まず、最高裁判所がした「決定」に対しては、判決に対する救済手続である判決訂正の申立をすることは制度上許されない。次に、本件申立を異議の申立と解したとしても、その内容は単に被告人の本籍の表示の訂正を求めるものにすぎない。これは、裁判の判断そのものや結論に誤りがあることを主張するものではないため、異議の申立として適法な理由を備えていないといえる。
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…
結論
本件申立は不適法であり、棄却される。
実務上の射程
決定に対する判決訂正の申立は不可であるという形式的な遮断を示すとともに、裁判内容の誤りを含まない単なる表示の是正を求める異議の申立は適法性を欠くことを確認した事例。実務上は、決定に対する不服申立の限界を画定する際の参考となる。
事件番号: 昭和29(み)28 / 裁判年月日: 昭和29年7月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】建造物侵入罪の成否において、解雇の有効性にかかわらず、立入行為の態様自体によって管理者の意思に反する「侵入」と認められる場合には、違法性が認められる。 第1 事案の概要:被告人らは、勤務先から解雇されたが、その解雇の無効を主張して争っていた。被告人らは、解雇後の立ち入りが禁止されていたにもかかわら…
事件番号: 昭和28(す)50 / 裁判年月日: 昭和28年2月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法施行法第3条の2の規定が適用されない旧刑事訴訟法下の事件については、判決の訂正の申立ては許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所の判決に対し、判決内容の訂正を求めて申立てを行った。本件は旧刑事訴訟法が適用される事件であり、刑事訴訟法施行法3条の2(新法の判決訂正規定を一定の旧…
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和28(す)246 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して判決訂正の申立てをすることは、刑事訴訟法417条1項の類推適用等によっても認められず、理由がないものとして棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」と題する書面を提出した。その実質的内容は、当該上告棄却決定の訂正…