判旨
最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、判決訂正の申立てをすることの可否、および裁判内容の誤りによらない記載訂正の申立ての適法性が問題となる。
規範
上告棄却の決定に対し判決訂正の申立てをすることは許されない。また、裁判の内容に誤りがあることを理由とするものではなく、単に被告人の住居記載の訂正を求めるに留まる申立ては、申立ての適法性を欠く。
重要事実
傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そのものの誤りを指摘するものではなく、被告人の住居記載の訂正を求めるものであった。
あてはめ
本件申立ては判決訂正申立という形式を採っているが、上告棄却決定に対して判決訂正の申立ては制度上許されない。実質的には異議の申立てと解されるが、その主張は被告人の住居記載という付随的事項の訂正を求めるに過ぎず、裁判の内容に誤りがあることを理由とするものではない。したがって、法が予定する適法な不服申立ての要件を充足しない。
結論
本件申立ては不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事訴訟法上の判決訂正の申立て(415条)が判決のみを対象とすることを確認するとともに、裁判の本質的判断に影響しない形式的記載の訂正のみを目的とする申立てを排除する実務上の指針となる。
事件番号: 昭和45(す)113 / 裁判年月日: 昭和45年6月18日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和44(す)313 / 裁判年月日: 昭和45年1月29日 / 結論: その他
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【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告棄却の決定をした場合、当該決定に対して異議の申立てをすることはできない。 第1 事案の概要:被告人Aが最高裁判所に上告を申し立てたが、最高裁判所は上告趣意が刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないと判断した。そのため、同法414条および386…
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【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立は許されず、内容に誤りがあることを理由としない単なる本籍表示の訂正を求める異議の申立は、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対する住居侵入、建造物損壊被告事件につき、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し、弁護人が「判決訂正の申…
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…