判旨
最高裁判所がした判決訂正の申立てを棄却する決定に対し、さらに抗告を申し立てることは法律上許されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所が下した判決訂正申立棄却決定に対して、さらに抗告を行うことが法律上可能か。
規範
最高裁判所がなした決定(裁判)については、これに対してさらに上訴(抗告)を行うことを認める法律上の根拠が存在しないため、当該申立ては不適法である。
重要事実
強盗殺人および死体遺棄の被告事件において、最高裁判所が上告棄却判決を下した。これに対し申立人が判決訂正の申立てを行ったところ、昭和45年5月27日に最高裁判所が同申立てを棄却する決定を出した。申立人は、この棄却決定を不服として、さらに抗告を申し立てた。
あてはめ
刑事訴訟法上、最高裁判所が終局的な裁判として行った決定に対しては、原則として不服申立ての手段が用意されていない。本件において、最高裁判所第一小法廷がした判決訂正申立棄却決定は、最高裁判所としての最終的な判断であり、これに対して抗告を申し立てることは法律上の根拠がないといえる。
結論
本件抗告の申立ては法律上許されないため、不適法として棄却される。
実務上の射程
最高裁判所の決定に対する不服申立ての限界を示す判例である。判決訂正の申立て(刑訴法415条)自体が異例の手続であるが、その結果(棄却決定)に対しては、三審制の建前および最高裁の終局性から、さらなる不服申立ては一切認められないという結論を導く際に活用できる。
事件番号: 昭和33(す)482 / 裁判年月日: 昭和33年11月10日 / 結論: 棄却
上告棄却判決に対する訂正申立棄却決定に対しては異議申立は許されない。
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…
事件番号: 昭和45(す)318 / 裁判年月日: 昭和46年1月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした判決訂正申立棄却決定に対しては、法律上、特別抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:被告人は強盗殺人等の罪に問われ、最高裁判所が下した判決(昭和45年(あ)第721号)に対し、判決訂正の申立てを行った。最高裁判所は昭和45年12月10日にこの申立てを棄却する決定を下し…
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和36(す)362 / 裁判年月日: 昭和36年10月3日 / 結論: 棄却
最高裁判所のした決定に対しては、特別抗告は許されない。