判旨
最高裁判所がした判決訂正申立棄却決定に対しては、法律上、特別抗告を申し立てることは許されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所がした判決訂正申立棄却決定に対し、特別抗告を申し立てることが認められるか。
規範
最高裁判所が行った決定(判決訂正申立に対する棄却決定等)のうち、法律に別段の定めがないものについては、特別抗告の対象とはならない。
重要事実
被告人は強盗殺人等の罪に問われ、最高裁判所が下した判決(昭和45年(あ)第721号)に対し、判決訂正の申立てを行った。最高裁判所は昭和45年12月10日にこの申立てを棄却する決定を下したが、申立人(被告人)はこの棄却決定を不服として、さらに特別抗告を申し立てた。
あてはめ
刑事訴訟法上、特別抗告(同法405条、433条等)の対象は限定的に規定されており、最高裁判所自らが下した判決訂正申立棄却決定について、これに対する不服申立てを認める規定は存在しない。したがって、かかる決定に対する特別抗告は「法律上許されていない」不適法なものと解される。
結論
本件申立ては不適法であるため、棄却される。
実務上の射程
最高裁判所の判断(決定)に対する終局的な確定力を重視する趣旨であり、判決訂正申立制度の限界を示す。答案上は、不服申立ての可否や上訴の適格性が問われる場面で、法律の規定にない不服申立ての不適法性を指摘する際の論拠となる。
事件番号: 昭和36(す)362 / 裁判年月日: 昭和36年10月3日 / 結論: 棄却
最高裁判所のした決定に対しては、特別抗告は許されない。
事件番号: 昭和45(す)113 / 裁判年月日: 昭和45年6月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした判決訂正の申立てを棄却する決定に対し、さらに抗告を申し立てることは法律上許されない。 第1 事案の概要:強盗殺人および死体遺棄の被告事件において、最高裁判所が上告棄却判決を下した。これに対し申立人が判決訂正の申立てを行ったところ、昭和45年5月27日に最高裁判所が同申立てを棄却する…
事件番号: 昭和27(す)495 / 裁判年月日: 昭和28年1月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告は、最高裁判所以外の下級裁判所がした決定または命令を対象とするものであり、最高裁判所自らがした決定に対して同条による抗告をすることは許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が昭和27年11月25日に宣告した住居侵入、強盗殺人、強盗致傷被告事件の判決に対…
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…
事件番号: 昭和33(す)482 / 裁判年月日: 昭和33年11月10日 / 結論: 棄却
上告棄却判決に対する訂正申立棄却決定に対しては異議申立は許されない。