判旨
上告棄却の決定においてなされた未決勾留日数の本刑算入に関する判断に誤りがある場合、検察官の異議申立てにより、当該算入部分および根拠法条の記載を削除する更正を行うことができる。
問題の所在(論点)
上告棄却決定においてなされた未決勾留日数の本刑算入および根拠法条の摘示に誤りがある場合、どのような手続によって是正すべきか。刑訴法上の決定に対する異議申立ての可否が問題となる。
規範
刑訴法414条、386条2項、385条2項、428条2項、426条2項に基づき、上告棄却決定の主文または理由に誤りがあるときは、異議申立ての手続きを通じて、不当な算入部分や誤記された法条を削除・訂正することができる。
重要事実
麻薬取締法違反被告事件について、最高裁判所が昭和44年12月24日に上告棄却の決定を下した。その際、主文において「当審における未決勾留日数中15日を本刑に算入する」との判断を示し、理由末段に根拠法条として「刑法21条」を掲記した。これに対し、最高検察庁検事が異議を申し立てた。
あてはめ
本件異議申立ては理由があるものと認められる。上告棄却決定のうち、未決勾留日数を本刑に算入した主文の判断、およびその根拠として刑法21条を挙げた理由中の法条掲記は、いずれも不適切または誤りであったと評価される。したがって、適法な異議申立てに基づき、裁判官全員一致の意見をもってこれらを削除する更正を行うべきである。
結論
最高検察庁検事による異議申立てを認め、当初の決定主文中の未決勾留日数算入部分および理由中の法条掲記をそれぞれ削除する。
実務上の射程
裁判所の決定に明らかな誤りがある場合の是正手続(刑訴法上の異議申立て)に関する実務上の先例である。答案上は、決定の更正や裁判の確定前の救済手段に関する文脈で参照し得る。
事件番号: 昭和44(す)314 / 裁判年月日: 昭和45年1月8日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告棄却の決定においてなされた未決勾留日数の算入について、検察官からの異議申立てに理由があると認め、算入日数を「40日」から「本刑に満つるまで」へと更正した。 第1 事案の概要:被告人の恐喝、同未遂、脅迫被告事件について、最高裁判所は昭和44年12月24日に上告棄却の決定を下した。そ…
事件番号: 昭和45(す)315 / 裁判年月日: 昭和46年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告棄却の決定に対する異議の申立てにおいて、申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ法定の異議申立期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対する道路交通法違反等の事件について、最高裁判所が上告棄却の決定をした。これに対し、…
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…
事件番号: 昭和43(す)283 / 裁判年月日: 昭和44年1月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する上告棄却の決定に対する異議の申立てについて、その理由がない場合には、刑事訴訟法の規定に基づき棄却すべきである。 第1 事案の概要:詐欺被告事件において、昭和43年12月12日に最高裁判所がなした上告棄却の決定に対し、弁護人が異議の申立てを行った事案である。 第2 問題の所在(論点…
事件番号: 昭和42(す)343 / 裁判年月日: 昭和42年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する異議申立てにおいて、申立てに理由がない場合、または申立期間を経過した不適法なものである場合は、いずれも棄却される。 第1 事案の概要:被告人AおよびBは、傷害、逮捕、恐喝等の罪に問われ、最高裁判所(昭和41年(あ)第2544号)により上告棄却の決定を受けた。これに対…