判旨
判決書の適法な引用は許容され、昭和26年改正後の刑事訴訟規則44条1項は特定の事項を必要的記載事項としていないため、これらを欠いても訴訟手続の法令違反には当たらない。
問題の所在(論点)
判決書において、特定の事項が記載されていないことや、内容の引用を行うことが、刑事訴訟法上の訴訟手続違反に該当するか。
規範
刑事訴訟規則44条1項(昭和26年最高裁判所規則15号による改正後)の規定に照らし、判決書における特定の事項の記載は必要的ではなく、また判決文の引用も適法に行われ得る。
重要事実
被告人が、第一審または控訴審の判決において、特定の事項(所論(1)(2)(4))が記載されていないこと、および一部の引用(所論(3))が不適法であること等を理由として、訴訟手続の法令違反(違憲主張を含む)を主張して上告した事案。
あてはめ
昭和26年改正後の刑事訴訟規則44条1項を確認すると、弁護人が主張する各事項は必要的記載事項とはされていない。また、判決における引用の手法についても、適法な範囲内で行われており、認印の欠落等も認められない。したがって、手続上の違法は存在しないと解される。
結論
本件判決書の手続に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
判決書の記載事項の省略や引用の適法性に関する基準を示しており、形式的な記載の不備を理由とする上告理由の妥当性を判断する際の射程として機能する。
事件番号: 昭和28(あ)68 / 裁判年月日: 昭和28年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判において、原審の訴訟手続に弁護人の選任に関する刑訴法や刑訴規則の規定に違反する瑕疵があったとしても、事実に争いがなく量刑も相当であると認められる場合には、刑訴法411条を適用して判決を取り消すべきものとは認められない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が量刑不当および訴訟法違背を理由と…