判旨
憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成をもった裁判所を意味する。本件では第1審判決の日付に関する事由はこれに反せず、上告理由に当たらないとされた。
問題の所在(論点)
憲法37条1項にいう「公平な裁判所」の意義、および判決書の作成日と宣告日が異なることが同条項に違反するか。
規範
憲法37条1項にいう「公平な裁判所」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成をもった裁判所による裁判を意味する。
重要事実
被告人が第1審判決の宣告に関し、判決書に記載された日付(昭和27年9月17日)と実際の宣告期日(同年9月24日)が異なること等を理由に、憲法37条1項の「公平な裁判所」による裁判ではない旨を主張して上告した事案。
あてはめ
記録上、第1審判決に記載された日付は判決作成の日であり、その宣告期日はそれとは別の日であることが明白である。このような判決手続上の差異は、裁判所の組織や構成において偏頗や不公平のおそれがあることを意味するものではないため、憲法37条1項の保障する「公平な裁判所」に反するとはいえない。
結論
憲法37条1項違反には当たらず、上告は棄却される。
実務上の射程
憲法37条1項の「公平な裁判所」の定義を明示した基本判例。裁判官の忌避や除斥、あるいは公判手続の公正性が争われる場面において、本規範は「裁判所の組織・構成のあり方」に焦点を当てた解釈として引用される。
事件番号: 昭和28(あ)3426 / 裁判年月日: 昭和28年11月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」とは、その組織および構成に偏頗の恐れがない裁判所を指し、当事者の主観的な不公平感により判断されるものではない。 第1 事案の概要:被告人が、下級審における裁判の内容や手続が当事者から見て不公平であると主張し、憲法37条1項の保障する「公平な裁判所」の裁判を受…