判旨
控訴審が第一審判決を破棄して自判(破棄自判)する場合、控訴理由のうち量刑不当の論旨について特段の判断を表示する必要はない。
問題の所在(論点)
控訴審が第一審判決を破棄して自ら判決を言い渡す際、控訴理由として主張された量刑不当の論旨について、判決理由中で判断を表示する必要があるか。
規範
控訴審が刑訴法に基づき第一審判決を破棄し、自ら判決を言い渡す(破棄自判)にあたっては、弁護人が主張した量刑不当の論旨について、個別にその当否を判断し、判決理由に表示することを要しない。
重要事実
被告人が第一審判決に対し、量刑不当等を理由として控訴を提起した事案。控訴審(原審)は第一審判決を破棄し、自ら判決を言い渡したが、その際、被告人側が主張した量刑不当の論旨について具体的な判断を示さなかった。これを不服として、弁護人が訴訟法違反を理由に上告した。
あてはめ
最高裁は、控訴審が破棄自判を行う場合には、特に量刑不当の論旨について判断を表示する必要はないとの判断を示した。本件において、原審が第一審を破棄して自ら量刑を決定している以上、控訴理由に対する個別の判断が欠けていても、刑訴法405条の上告理由(訴訟法違反)には当たらないと解される。
結論
控訴審が破棄自判をする場合、量刑不当の主張に対する判断を表示する必要はなく、表示しなかったとしても違法ではない。
実務上の射程
控訴審の判決書における理由記載の程度、特に破棄自判時における控訴趣意への応答義務の範囲を画定する際の実務上の指針となる。
事件番号: 昭和26(れ)1668 / 裁判年月日: 昭和26年10月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由に該当せず、職権調査によっても刑訴法411条を適用すべき事情が認められない場合には、上告が棄却される。 第1 事案の概要:被告人が原判決の量刑が不当であるとして最高裁判所に上告を申し立てた事案。判決文からは具体的な犯行事実や第一審・控訴審の詳…