米穀の生産者に対しその生産した米穀を政府以外の者に売り渡すことを禁止した食糧管理法施行令第五条の五の罪が成立するときは、同条のほかさらに主要食糧の所有者に対する譲渡制限を規定した同法施行令第八条の罪もしくは何人も米穀を政府以外の者に譲り渡してはならない旨規定した同法施行規則第三九条の罪は成立しないものと解すべきである。
食糧管理法施行令第五条の五と同令第八条、同法施行規則第三九条との関係
食糧管理法9条,食糧管理法31条,食糧管理法施行令5条の5,食糧管理法施行令8条,食糧管理法施行規則39条
判旨
原判決における法令の適用が正当であり、量刑不当も認められない場合、上告趣意は刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する法令違反および量刑不当の主張が、刑事訴訟法405条の上告理由に該当するか、あるいは同法411条により職権で破棄すべき事由があるか。
規範
被告人側から主張された法令違反の主張が、原判決の判断に照らして正当であると認められる場合、または量刑不当の主張に留まる場合は、刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらない。また、職権で原判決を破棄すべき顕著な正義に反する事由(同法411条)が認められない限り、上告は棄却される。
重要事実
被告人が上告を提起した事案において、弁護人は第一点として法令違反を、第二点として量刑不当を主張した。しかし、記録上、原判決の法令適用に誤りはなく、量刑も不当とは認められない状況であった。
あてはめ
弁護人の法令違反の主張については、原判決における法令の適用は正当であって違法はないと判断される。また、量刑不当の主張は単なる事実誤認や評価の相違に類するものであり、同法405条の上告理由を構成しない。さらに、記録を精査しても判決に影響を及ぼすべき重大な誤り等の職権破棄事由(411条)は見当たらない。
結論
本件各上告を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟法上の上告審の構造を確認する判例である。上告理由が限定的(405条)であること、および職権破棄(411条)のハードルの高さを示す実務的な確認として機能する。
事件番号: 昭和25(あ)2317 / 裁判年月日: 昭和26年5月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の上告趣意について、刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、かつ同法411条を適用して職権で原判決を破棄すべき事由も認められない場合には、上告を棄却する。 第1 事案の概要:被告人および弁護人は、下級審の判決に対し、上告趣意を添えて最高裁判所へ上告を申し立てた。しかし、提出された…